「第二次大戦下、沖縄戦の激戦地前田高地で敵味方関係なく負傷兵を救助し...」ハクソー・リッジ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
第二次大戦下、沖縄戦の激戦地前田高地で敵味方関係なく負傷兵を救助し...
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第二次大戦下、沖縄戦の激戦地前田高地で敵味方関係なく負傷兵を救助した衛生兵デズモンド・ドスの物語。監督がメル・ギブソンなので凄惨な戦闘の地獄絵図を情け容赦なく描写、DVと飲酒に明け暮れる主人公の父トムにここ数年自身がしでかした悪事への贖罪を重ねて自身の信仰と奔放な半生もそのまま反映。結果としてどこまでも純粋だがどう贔屓目に見てもどうかしている主人公が無数の亡骸を掻き分けて生存者を救助する壮絶な戦争映画となっています。それでいて、陰惨な苛めに耐え抜き雨霰と降り注ぐ戦艦の砲撃をものともせず何度も戦地に戻っていくデズモンドの真摯な姿に、デズモンドを疎ましく思っていた戦友達が次第に心をつき動かされていくその一部始終が次第に涙で霞んでいく圧倒的な人間ドラマ。
自身の信条をあからさまに滲ませた作風はクリント・イーストウッド他巨匠達の作品と重なる点が多く見られ、巨匠とはすなわち仙人のような存在なのだと痛感させられる壮絶な傑作。さりげなく『不思議の国のアリス』ネタのギャグもあったりしますのでお見逃しなく。
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