「.」人魚姫 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。中国・香港合作。色々ヤリ過ぎ感溢れるハイテンションなコメディ。タイトルとは裏腹にこれ迄余り描かれた事の無い男の人魚や蛸男も登場する。CGIの無駄使いな気もするが、根底には公害による環境破壊や拝金主義等、急激な近代化を進める彼の国の抱える闇が見え隠れする。ストーリーや設定等、ステロタイプのオンパレードで、意外性は無い。寧ろ破綻と云うレベルを超えた様々な整合性の無さやご都合主義を優先し特化した乱暴で粗雑な流れに驚かされた。採点はCGIの精度や技術力に比重を置き、超甘いめにした。50/100点。
・問題解決に人魚側も人側もお互いが殺すしかないと結論付けるのはお国柄か。殆ど笑えない馬鹿げたギャグの応酬に加え、突然歌が挿入されていたり、ダンスは無いものの少々ボリウッドを意識した様にも思え、それだけエンターテインメントに徹した作りなのかもしれない。アフレコ感満載の科白回しも気になったが、スタッフロールの途中で曲が終わり、無音の儘流れ続けるクレジットのみと云う画面も新鮮。
・ソナーのプレゼンの際、可愛い可愛い金魚が云々と日本語で話し掛けるシーンがあり、序盤にはささきいさおが唄う『ゲッターロボ!』も使われていた。
・嫉妬に狂う“リ・ルオラン”のキティ・チャンがシーン毎に髪型が変化するが、カットが変わると髪色迄変化していた。DNAの研究に生け捕りの筈が、皆殺しだとするのもよく判らないし、交通渋滞をすり抜け駆け付ける誰がいつ呼んだのか判らない警察にも疑問を感じる。
・'16年11月の時点で、中国歴代一位の観客動員数を誇り、収益は約30億人民元(4億3,110万米ドル相当)を達成したとされる。亦、難破船内のシーンは主にガラス生産工場が用いられた。
・鑑賞日:2017年9月8日(金)