「終わった後、しばらくひたっていたかった」素晴らしきかな、人生 ガブさんの映画レビュー(感想・評価)
終わった後、しばらくひたっていたかった
予告を観た時に主演がウイル・スミスという事もあって「7つの贈り物」の逆版の様なストーリーなのかと想像してましたが、また一味違う物語でした。
この物語は、愛、時間、死がキーワードでしたね。
冒頭のハワードの話は、なるほど確かにそうだなぁと思いながら聞いてました。
「幸せのカケラを見逃すな」とか、この作品は何気にいい言葉が多かった様に思います。
ファンタジーが好きなので「クリスマス・キャロル」の様な展開も期待しましたが奇妙な出会い方をしたものの普通に舞台俳優が愛、時間、死を演じるというストーリーに、ちょっと拍子抜けでした。
ハワードからしたら世にも奇妙な物語なんですけど観てる側としては裏方もバッチリわかってるので、最初はヒューマンドラマの様に観てましたね。
ハワードは人生を取り戻そうと、もがきながらも、ちゃんと周りの事がみえていて、自分をはめた同僚たちを責めることなく何て良い奴なんだって思いました。
同僚たちも問題を抱えていて話が進むにつれて、それを、さりげなく導いて行く舞台役者達の姿にもしかして、、、という不思議さが常にありました。
話の構成がよかったですね。
私は舞台役者が何者なんだと、ずっと気になっていて意識が、そちらに向いていて、もう一つの仕掛けに全く気付きませんでした。
集う会の先生がなんで何度もハワードに娘の名前を聞くのかなと気にはなってたんですけど、先生が旦那にもらった手紙をハワードに渡した瞬間に、はっ!と気づいて鳥肌が立ちました。
そこからの娘の映像には、もうハワードだけじゃなくて先生の想いも一気に流れ込んできて、なんでハワードがドミノ倒しやってるんだとか涙が自然に溢れました。
最後は観客に終わり方を委ねたように感じたんですが私は彼らは本当の愛、時間、死の化身だったように思いました。