「これぞドニー・イェンの面目躍如。詠春拳ここにあり。3D版も観たいぞ!!」イップ・マン 継承 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞドニー・イェンの面目躍如。詠春拳ここにあり。3D版も観たいぞ!!
これぞドニー・イェンの面目躍如。「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」(2016)での盲目の戦士"チアルート・イムウェ"で人気が爆発て満席。東京ではたった2館上映も、本来のカンフーアクションが満喫できる。もちろん純正の"香港映画"である。
本作は、20世紀に実在した拳闘家イップ・マン(葉問)の伝記をもとに創作を加えた、人気カンフーシリーズ第3弾である。
イップ・マンは詠春拳の流派を完成させた人物で、百聞は一見に如かず。世代にもよるが、あのブルース・リーの師、"詠春拳"の使い手であると聞けば、うなずく人もいるはずだ。
中国・香港での大ヒットシリーズは1作目が2008年だったが、日本では2作目公開後の2010年東京国際映画祭の特別公開(ブルース・リー特集)でようやく紹介された。おそらく第1作目が、"日本人を悪者にした"設定で敬遠されたのかもしれない。興行においてはよくある偏見だ。
さて、「イップマン」シリーズはドニー・イェンの当たり役で、正義の鉄槌を下す"勧善懲悪モノ"である。寡黙な正義のヒーローは、これがあってこそのハリウッドへの出世進出で、「ローグワン」のみならず、先日の「トリプルX 再起動」(2016)にも出演している。
そういえばドニー・イェンは、チャン・イーモウ監督の「HERO」(2002)に槍をもって出ているんだよね。個人的には懐かしい…。
イップマンの敵は第1作で日本人だったが、第2作はイギリス人、そして今回はなんと! マイク・タイソン(元ボクシング世界ヘビー級統一王者)が特別出演する。
しかもカメオ出演なんてものでなく、ちゃんと不動産会社のボスとして役がある。セリフ廻しをはじめ、演技は知れたものだが、ドニー・イェンとの直接対決シーンとなると本気モードだ。3分間のエキシビジョンマッチは、超カッコいい(耳に噛みつかないか、心配が頭をよぎったり・・・)。
今回は、家族愛がテーマになっていて、単なる格闘モノの自己満足ではなく、ラブストーリー局面が見事に融合。傑作シリーズをさらに高みに持ち上げている。
それにしても"詠春拳"は、なぜかシロウトがマネしたくなるワクワク感を持っている。ブルース・リーに憧れた先輩世代なら、いま一度、あの興奮が蘇える。
本当は3D版もあるんだよね。"詠春拳"を3Dで観たいところだが、そこまでをミニシアター公開レベルに求めちゃダメか。GAGAさん、3D版の拡大公開できませんか。
(2017/5/3 /新宿武蔵野館/シネスコ/字幕:鈴木真理子)