「自分らしく生きることは、社会的には狂気に映る」ワイルド わたしの中の獣 カイさんの映画レビュー(感想・評価)
自分らしく生きることは、社会的には狂気に映る
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おとなしく控えめな女性が、狼に野生に惹かれ、それを原動力に社会的常識を逸脱していく。
「流されながら無難に生きてきた女性が、社会的に自立できない男に惚れて身をもち崩す」というステレオタイプなイメージを、男を狼に置き換えて展開していくが、狼に惹かれる流れに説得力が乏しく思われた。
そこを棚上げにして観れば、アニアの振る舞いは自分の意志に基づいた自分らしい生き方であり、それ故に周囲からは狂気に映り、排除されていくほかない。
全体として、自分らしく生きることへの警告とも取れたし、自由に生きることこそ幸福であるというポジティブなメッセージとも取れた。
女性の社会的地位の低さという現実を示している部分も多く、男性優位社会への反抗という側面もある。
観るものに訴えかける力が弱く感じた点が残念だった。
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