君の膵臓をたべたい(2017)のレビュー・感想・評価
全167件中、1~20件目を表示
君の膵臓を食べたい
感想
今回久しぶりに再び鑑賞した。
本作劇中の春樹と桜良の台詞で印象深かった部分を揚げてみる。住野氏の原作は勿論のこと、吉田智子氏の若者らしい瑞々しくそれだけに切ない感情の起伏や生きる事への拘りを感じる脚本が素晴らしい。
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
桜良に残りの人生でやりたい事を考えろという春樹。桜良は自分の希望の手伝いをして欲しいとして、休みに春樹を呼び出す。言葉に素直に応じて待ち合わせ場所に来る春樹。
「でも、君以外には言わないよ。だってクラスメイトのこんな秘密を知ったら普通動揺するし引くでしよ。なのに君は全然平気な顔で居るじゃない。」
「それは、一番辛い筈の当人が辛い顔を見せないのに、他の誰かが代わりに泣いたりするのってお門違いだから。」
春樹を見つめる桜良。
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
連れてこられたスイパラで春樹の人柄と人間関係を
確認するため質問をする桜良。
「僕に親友なんかいる訳ないでしよ。」
「友達は?」
「ずっといないよ。」
「じゃあ、彼女は?」
「いる訳...!」
「好きな人くらいいたでしょう!」
黙り込む春樹。
「(大声で)女の子を好きになった事は〜?」
「あるよ! 一回だけ!」
「どんな人?」
「何にでも''さん"をつける人。」
「本屋さん。店員さん。食べ物までにじゃがいも
さんとか付けてさ。」
「いや〜なんか、僕にはそれがいろんな物に敬意
を忘れないって言う事だと思ったんだよね。」
春樹を見つめる桜良 春樹も桜良を見つめる。
「思ったより素敵だったから。」
「まぁ、素敵な娘だったかもしれない。」
「違うよ。 好きになった理由が。」
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
学校の屋上て余命の話をする春樹と桜良。
「君はさ。本当に死ぬの?」
「死ぬよ。あと1年、持つかどうかって言われ
てる。」
「君にしか話さないって決めたんだ。」
「君はきっと唯一人、私に普通の毎日を与えてくれる人だから。」
「お医者さんも真実しか与えてくれない。お父さんもお母さんも日常を取り繕うのに必死になっている。恭子も(死の)事実を知ったら同じになると思う。でも、君だけは違う。」
「僕は唯、(死と)向き合おうとしてないだけだよ。」
顔を俯ける春樹。
「そんな難しい顔をするんじゃない!どうせいつか
は皆死ぬんだし。」
「ほら。天国で逢おうよ!」
空を見上げる桜良。
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
桜良の病室で桜良に学校の課題を教える春樹
「詩の本質は感情を形にする事。祈りであり願い。だから、ひとつの言葉が想いのままに吐き出されていくようになる。」
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
桜良の家の前で雨が降る午後、元彼の隆弘に春樹は罵倒され殴られる。桜良が助けに入る。山内家の玄関にて。
「僕なんかがそばにいて良いのか?」
「委員長が言った通りだよ。僕は。偶然病院で君と逢って。流されてるだけで。もっと誰か、本気で君を想ってくれる人と居たほうが...。」
「違う!」
「違うよ。偶然じゃない。流されてもいない。私たちは皆、自分で選んでここに来たの。」
「君と私が同じクラスだったのも。あの日病院にい
たのも偶然じゃない。」
「運命なんかでもない。君がしてきた選択と、私が
してきた選択が、私たちを逢わせたの。」
「私たちは自分の意志で出逢ったんだよ。」
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
桜良の様子を心配して深夜に病室に訪れる春樹。
春樹に尋ねたい事があると言う。
「真実か挑戦か?」
「真実。」
「君にとって、僕は、...いや、君にとって。生きる
ってどういう事?」
「えっ。...うわぁ〜。真面目かよー。(笑)」
「う〜ん。誰かと心を通わせる事。かな。」
「誰かを認める。好きになる。嫌いになる。誰かと一緒にいて。手を繋ぐ。ハグをする。すれ違う。それが生きるー。」
「自分ひとりじゃ、生きているってわからない。そう。好きなのに嫌い。楽しいのに鬱陶しい。そういうまどろっこしさが。人との関わりが。私が生きているって、証明だと思う。...だからこうして君と居られて良かった。」
「君がくれる日常が、私にとっての宝物なんだ。」
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
桜良との突然の別れが訪れた事を生徒の栗山に話
す春樹
「甘えていたんだ。残り残り僅かな余命を、彼女が
全う出来るものだと。思い込んでいたんだ。」
「馬鹿だった。明日どうなるかなんて。誰にも判らない。だから、今この一日を、この瞬間を。大切にしなければいけないって。そう彼女に教わったのに。」
... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ... ...
演出・配役
作品としてよく纏められている。監督の力量に依るところが大きいと感じる。また、北村匠海さん浜辺美波さんの演技は人物像をよく捉えており、物語として充分に感動し楽しむことが出来た。
2017年8月11日初鑑賞
⭐️4.5
キツい 25分でギブアップ
クラスのモブ男子が、クラスで一番人気者の女子の秘密をその子の目の前で偶然に知ってしまったというだけで、なんでその女子が急にモブ男子を追っかけ出すのか。開始早々この意味がわからない設定に早くも退屈し始めた。
しかもこの女子の、人を振り回す系の我儘タイプにはついていけない。
結果、25分見てギブアップ。
青春の履き違えにも程があるってレベルで、酷くネジ曲がった感性で描かれたエセアオハルモノ。例えばSFはそもそも非現実だから問題なく受け入れられるが、この映画のような現実に近しい殻を被った非現実は見るに堪えない。
突っ込みどころ満載の中から強いて突っ込むなら、序盤、モブキャラの目の前に偶然女の子の秘密ノートがバサッと落ちてきて、1ページ目をしっかり読むだけの時間があって、女の子が「それ私のノート♪私の秘密知っちゃったね♪仲良くしてね♪」。この全てが言わずもがな非現実。
こんなモノでウキウキしてしまう人ってのは、まともな青春を経験できなくて、挙句の果てに妄想に浸るタイプの人だと、偏見ながら思ってる。
キショい映画だ。劇場で観なくてよかった。
通り魔はいけません
ストーリーがしっかりしているので、いい映画だった。
道東のエゾ芝桜を観にいく約束が、通り魔によって遮断される。
確かに、通り魔は伏線で示されていたが、
余命いくばくもない主人公が刺されて死ぬのはあまりに可哀そう。
モテない男の空想の女の子
................................................................................................
人との交流が苦手な男子高校生とクラス一の人気者・美波。
男は偶然、美波が膵臓病で余命一年ということを知る。
それは美波が親友にさえ言ってない秘密だった。
それを機に美波は積極的アプローチして来て、急接近する。
男は内気で断れない性格のため強引に旅行に行き同じ部屋に泊まる。
その後、美波は急に入院。そしてやがて退院し、男と待ち合わせ。
でもその道中で通り魔に刺されて死亡。
男は美波が生前書いてたノートを見て、気丈だが実は辛かったことを知る。
誰に話しても特別な目で見るだろうが、男はそうでなかったから近づいた。
そして退院と言ってたのも実は末期状態を迎えての一時外出だった・・・。
男は美波が向いてると言った言葉を信じ、母校の教師になっていた。
そこで美波が生前に書いた遺書のようなメモを発見する。
自分宛のものの他、親友の景子に対するものもあり、景子に届けた。
................................................................................................
カワイイ子が何らかのきっかけで自分だけに馴れ馴れしい・・・
この天真爛漫な美波ちゃん、モテん男が空想しがちな女性そのもの。
おれも高校時代はよくそういう空想をしたものだ(場)
映画によくあるご都合主義で、タイミングが全てドンピシャ過ぎやけど、
まあそこは許すとして、全体の話はよくできてたんちゃうんかな。
ただやっぱり、何でもかんでも美化され過ぎてる感は否めない。
いまアニメ版の映画やってるみたいやけど、その方が感情移入できそう。
シュール過ぎる話って、実写やとどうしても入り込めんのよな。
それにしても最後、通り魔に刺されるってのは何とかならんのか?
あまりにも不運過ぎてかわいそうになって来るがな(場)
日本十進分類法で135.5は20世紀のフランスオランダ哲学
最期の15分間だけの映画です。
原作と映画は全くの別物です。
原作は男の人だが、脚本が女性だと思うので、大変に良くできていると思う。
アニメもあるんだ?見てみるか。
20分位に短縮したら、傑作になるかも。
但し、高校生諸君には俯瞰した言葉で申したい。
900番台には、もっともっと、感動できる話しがたくさんあるので、学校の図書館で探して見てね。公共図書館では、予約で100人待ちの本が、学校図書館では簡単に見つかるよ。それに静かな所だから、昼寝にも最適。
因みに『星の王子さま』は『953.7 テ』かなぁ?
まぁ、岩井俊○さんの『ラブ○ター 913.6 イ Bかなぁ』をリスペクトしていると思ったが。
追記
こんな良い図書館閉館させてしまう。この映画で一番泣けた所です。こんな高校の先生にはなりたくないね。それが僕の『真実と挑戦』かなぁ。
ランゲルハンス島の中心で、愛をさけぶ。 「かわいい」は、かわいくない。
膵臓の病を抱えたクラスメイトの女子高生・山内桜良との日々を、母校の高校教師となった「僕」による回想形式で描き出す青春ラヴストーリー。
余命いくばくもないヒロイン、山内桜良を演じるのは『エイプリルフールズ』『咲 Saki』の浜辺美波。
人との関わりを避ける図書委員の高校生「僕」を演じるのは『陽だまりの彼女』『信長協奏曲』の北村匠海。
桜良の親友、滝本恭子(現在)を演じるのは『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』『パラダイス・キス』の北川景子。
現在の「僕」を演じるのは『ミュージアム』『銀魂』シリーズの小栗旬。
「僕」のクラスメイト、ガム君を演じるのは『ちはやふる』シリーズやテレビドラマ『ゆとりですがなにか』の矢本悠馬。
原作は300万部越えの大ベストセラー同名小説。これは未読であります。
邦画お得意の「女子高生難病もの」。一言でいえばポスト『セカチュー』映画であります。
正直言って、かなりしんどかった💦
それほど長い映画ではないのにも拘らず、途中で休憩を挟んでしまうほどにキツかったのは、浜辺美波演じるヒロイン・山内桜良のキャラクター造詣があまりにも偶像的すぎたから。
こんなヤツいるわけねぇだろ、ってくらいの漫画的ヒロインキャラだったので、この子が難病で苦しんでいるって言われても「ふぅん…」以上の感情が湧いてこない。
大体セリフ回しがあまりにも小説的というか、話し言葉になっていない。屋上での会話で「こらこら。そんな難しい顔するじゃないっ!」なんて言い始めた時は、気持ち悪すぎてゲボ吐きそうになったぞ。浅倉南かお前はっ💦
確かに桜良を演じた浜辺美波はキュート。それは誰もが認めるところだろう。
しかし、あまりにも作為的な「かわいい」仕草には観ていて胃もたれしそうになった。
誰の言葉か忘れてしまったけど、「かわいいはかわいくない」という至言がある。
これは本当にその通り!何者かによって意図的に創造された「かわいい」は可愛くないのです!自らが主体性を持って見出したモノ/人にこそ「かわいい」は宿るのです!!
真の「かわいさ」とは千差万別があって然り。押し付けられた「かわいさ」にはなんの価値もない。
花王が発売するヘアケア製品のブランド「エッセンシャル」のキャッチコピーは「カワイイはつくれる!」だが、俺から言わせりゃ「作られたものはカワイくない!」だっ!
あと、この手の映画全てに言えることだけど、余命いくばくもない難病患者にも拘らず、血色が良すぎ。全然死にそうな人に見えない。数日間全く食事ができなかったんだロォ!?もっとガリガリにならんかいっ!!
この手の映画はヒロインに気持ちが乗れないとまさに地獄。2時間がいやー長かった。
正直ストーリーもなんやこれ一体?って感じ。「ボーイ・ミーツ・ガールはドラマになり得ない」という鳥海永行監督の言葉を思い出さずにはいられない、おままごとのような物語でしたねぇ…。
すげーどうでも良いことだけど、通り魔に殺された娘の携帯に「君の膵臓をたべたい」ってメールが送られていたら、「お巡りさん!犯人はコイツですっ!」ってなりそう。
特に酷いと思ったのは現代パートのクライマックス。
この現代パート、恭子から送られてきた結婚式の招待状に「僕」が返信しなかったり、トボトボと通勤する「僕」の後ろ姿を恭子が思わせぶりな表情で眺めていたりと、「この2人の間に何かあったんだろうな…」と観客が思わざるを得ない描写が続く…、が。
…いや、特に何にもないんかいっ!!じゃあさっさと返事を返せよ!めっちゃ迷惑だぞその行為。
この2人、共通の友達がいるってだけの殆ど赤の他人。
そんな2人の間にドラマが生まれるわけもない。
クライマックス、遺書を見つけた「僕」が結婚式場に駆けつけるわけだが、息を切らした平服の男が式場に駆け込んできたら、式場のスタッフは「やべぇ!修羅場だっ!」と思うでしょうね。ダスティン・ホフマンかお前はっ💦
大体あの手紙、そんなすぐに届けないといけない内容でもなかったし。普通に結婚式終わってからで良くないっ!?
案内状に返信もしないで式場に来て「友達になってくださいハァハァ」って言い始める、そんな男とは友達にならない方がいい。
この現代パートは映画オリジナルらしい。なるほどねぇ…。
ボロクソ書いたけど、良かった点もありますよ。
主人公を演じた北村匠海さんの演技は素晴らしかったです✨
人と会話する時の、どこ見ていいのか分からずキョロキョロっとしてしまうコミュ障的視線の動かし方は見事。非常にリアルな人物として「僕」をスクリーンに現出させることに成功しています。
特に素晴らしかったのは桜良が通り魔に殺されたことを街頭スクリーンで知る場面。
あのあまりの衝撃に自体を飲み込めず、呆けた様な無表情になってしまうという演技は本当に見事でした👍
もう一人、「僕」のクラスメイトのガム君を演じた矢本悠馬さんも素晴らしかったですね!
めっちゃ演技が自然体。出番は多くないが、間違いなくこの映画の中で一番演技が上手い役者さんでした。
そもそも、このガム君っていうキャラが良い。絶対に嫌いになれない愛すべき人物。もっと「僕」とガム君のブラザーフッド的な友情シーンが観たかったっす。
…いやでも、矢本悠馬の10数年後が上地雄輔ってあり得ねえだろっ💦全然顔違うじゃん!話し方も醸し出す雰囲気も何もかも違うじゃん!この約10年で、ガム君に一体何があったんだ…。
顔の系統的に言って、今野浩喜とかがベストだと思うけどなー。というか、出番も少ないんだし本人に老け顔メイクを施せばいけるんじゃね?
とまぁ、北村匠海さんと矢本悠馬さんの演技がとっても良かったのでちょっぴり加点。
単純な自分はこの映画を観て「メメント・モリ〜〜。一日一日を大切に生きていこう!」とか思ったんだけど、よく考えてみると世の中の99%の映画は「今を大切に生きよう」というメッセージを発している。別にこの映画が特別なんじゃないよな…。
どんな映画でも、大体観るたびに「一日一日を大切に生きよう!」と思ってるな俺、ということに気付いたりした、そんな一本でありました。
30過ぎの男には、この手の映画はやはりキツい!!
浜辺美波さんの可愛さのせいで余計に泣けました。
原作は読んでなくて、以前からとにかくタイトルが気になってたのと浜辺美波さんが主演だったので今更ながらようやく観ました。
浜辺さん、大友さん、可愛すぎる。
特に浜辺美波さん、八重歯が上唇に引っ掛かりがちなこの頃は最強!!!
演技もナチュラルで上手!
昔も今もやっぱ男って顔が可愛くてちょっと何考えてるかわからないけど絡んでくる女の子には惹かれてしまう生き物なんですね。
偶然でも運命でもなく私たちがしてきた選択が私たちを会わせた、私たちは自分の意志で出会ったという桜良のセリフ、グッと来ました。
桜良の死にはあまりにも意表をつかれましたが、そういや前フリがあったなあと。。。
おっさんになった今だからこそ春樹の行動にモヤモヤするけど、その当時だと自分も同じなんだろうなと思いながら観ました。
北村クンも東京リベンジャーズと役柄は全然違うけどやっぱり上手い。
知らない間に春樹の気持ちになって結構泣けちゃいましたし、心が浄化されました。
ちょっとだけ気になったのが…山内と浜家って苗字が出てくるのは…誰かがかまいたちのファンだったりする?関係ないですよね?汗
こういうストーリー多いですが…
今更ながら、初めて視聴しました。
こういう、高校生が病にかかって余命少ないなかでの恋物語多いですが、これは違った。
ストーリーはそんなに新鮮ではなかったのかもしれませんが、浜辺美波ちゃんと北村匠海くんの演技に引き込まれました。
恋人同士ではない二人の関係ですが、それがよかった‼︎
そして、変に、家族とかその他大勢の登場人物がいなかったおかげで、二人の関係性だけに集中できたのも作品としてよかったのだと思います。
北村匠海くん、根暗な役とても合ってました。
視線の使い方とか、内気な男子学生そのもの。
浜辺美波ちゃんは、よくよく考えたらキャピキャピした台詞多いですが、彼女が言うと嫌味なく自然体、ただただ可愛い。
彼女の意外な最期に呆気にとられましたが、(その伏線回収してほしくなかった…)
「生は偶然、死は必然」、どんなことで最期を迎えるかなんて誰にも分からないですね。
そう思うと、「生きてることって奇跡」と感じさせる最期と思い、納得できました。
ひどい原作改変に絶望しました。
私は住野よる先生の原作が大好きな人間です。よって映画のみ視聴した方々とは感想が違ってくることを先にお詫びします。
私ははっきり言って物語の結末を大きく変えたこの映画を許せません。この作品の主題は、「人は人との関係によって変わる」であると感じます。咲良と出会うことで、人との関係を持ちたがらなかった春樹は少しずつ咲良に心を開いていきます。さらに咲良が病気ではなく通り魔に刺されることで、春樹は「死は余命宣告された咲良でさえも唐突に、平等に訪れる」ということを悟ります。原作の春樹はそのことを思い知ったのち、すぐに恭子のもとを訪れ、共病文庫を渡し、咲良の病気のことを打ち明けたうえで、恭子と友達になろうと持ち掛けます。
一方映画の春樹は大人になるまで行動を起こしません。私はこの原作改変が許せない。これでは咲良が余命よりも前に死んだ意味がないと思いませんか?この映画において咲良の死は、「突然の別れで悲しい」という感情としてしか扱われません。「さあ、春樹に感情移入して泣くシーンだよ!」という雑な描写に使われたことが許せない。ただただ恋愛のキュンキュン(笑)と別れの悲しさを描いた安っぽい作品になぜしてしまったのか。若い高校生世代をターゲットにした作りなのは、キャスティングを見れば明らかです。そういう何も考えずに恋愛映画を見に来た視聴者の食い物にされたことが非常に残念です。また他のレビュアーの方が、「大人になる時間の必要性」について語っておられましたが、そんなゆっくりしている時間は無いのです、いらないのです。大人の春樹と恭子の描写は完全に蛇足であったと言わざるを得ません。原作を読まれた方々がこの映画に高評価をつける神経も分からない。一番大切で一番二人の関係が強いこの場面を簡単に省かれたのにもかかわらず...
以上です。ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。映画しか視聴していない皆様は、原作を拝読されることを強く推奨いたします。
本当に素晴らしかった
本日で4回目の鑑賞でした。やはり、素晴らしい作品は何度観ても素晴らしい。時間を空けて観るとまたさらに違った見方をすることが出来る。浜辺美波さんと北村匠海さんの素晴らしい自然な演技。現在と回想を行き来する上での対比。浜辺美波さん演じる桜良の強引さと北村匠海さん演じる"僕"の控えめさが生み出す絶妙な空気感。そしてラストにはタイトル回収。自然と涙が出てきます。"生きる"とは何なのか。当たり前の日常の喜び。このような世の中になった今、是非観て欲しい作品です。
甘くみてた。
思いのほかよかった。「選んでここにいる」っていうのはすごくいい。
3回くらい泣いた。
北村匠海と浜辺美波は陰陽すごく良い。
小栗旬はあんまり。
ストーリー 91点
配役 88点
音楽・映像 95点
全体 91点
満開の桜見せてあげたかったー
悲しいストーリーなんだけど
美しくてキラキラした映画だなと思った。
読書家の「ボク」のセリフの日本語がきれいで
対象的にさくらちゃんはキャピキャピした明るい話し方で、
友達もいないボクと
クラスで人気者のさくらちゃんの
何から何まで正反対な二人だけど
そんな二人だから惹かれ合って
支え合えた。
そんな気がした。
きみの膵臓をたべたい
言ったことも言われたこともないけれど
最高の褒め言葉!
美しかったです。
北村匠海の嗚咽泣きシーンでもらい泣きしました。
1日の命の重みは皆同じ
1日の命の重みは皆同じ。
これこそが本作の主題でしょう。逃れられない死は遅かれ早かれ人に訪れるもの。それを恐れていても、いなくても、人の命は突然なくなることもあるということを感じれる。とても素晴らしい作品でした。
「いや、そんなありきたりな言葉じゃ言い表せない。君の膵臓をたべたい」
この言葉こそが、この映画を素晴らしいものにしてくれましたね。
中盤までは良かったけれど…
病気を題材にした作品はたくさんあるので似ている内容のものがあると冷めてしまうというのが本音です。結論から言うと泣きませんでした。
原作は拝読させていただいたことがあり、内容もオリジナル性が高く、若いキャスト陣のお芝居が素敵でした。
中盤までは良かったのですが、病気の主人公、もしくはヒロインが病気とは別の理由で亡くなるという内容の作品をいくつか鑑賞したことがあり、ありきたりなパターンだと感じてしまいました…
しかもかなり突飛な流れだったために、もう少し伏線が必要だったのかなと思いました。
浜辺さんや北村さんのお芝居は素敵でした。
これまでに無いくらい泣きました…
咲良が通り魔に刺される前のシーンの時、いっぱいおめかしして真っ白な綺麗なワンピースを着てとても楽しそうな表情で家を出ていったのに、通り魔事件に巻き込まれてあのワンピースが真っ赤に染まっちゃったんだろうな、って想像するととっても切ないです…
美波さんがあの役を演じるからこそとても儚い感じがでてて本当に素敵だと思いました😭
後半のシーンで春樹が「ごめんなさいお母さん、もう泣いてもいいですか」このセリフで涙が止まりませんでした。匠海さんが思いっきり泣く演技も本当に涙がつられました、、大人になった春樹の回想シーンから始まってここまで泣くとは思いませんでした、、最後のシーンで咲良が微笑みを浮かべながら大人になった春樹を見つめてる所が本当に素敵でした。小栗旬さんの渾身の泣くシーンも最高でした。何度見ても泣ける作品です。大好きです
女優浜辺美波の天真爛漫さが愛おしい
小説は読んでいたが、映画版は観ていなかった。
明らかに、映画版の方が良い!そして泣ける。
ストーリーは、好きな人が、病気で死んで、その後10年以上も人生を引きずられるという手垢のついた様なもの。
しかし、ここまで純粋に生きると言うことを考えさせられるのは、主役である浜辺美波の天真爛漫で彼を振り回すほどの明るいな演技のなせる技だ。
一日一日を、無駄にせずに、前向きに生きよう。
そう思い、感動で涙腺崩壊でした。
桜良の無理やりな明るさが気持ち悪い名作
何度目の鑑賞だろうか。
桜良の明るさが気持ち悪いのです。 何度見ても。 いい意味で。
わざとらしく明るく振舞えば振舞うほど、死への恐怖、怒り、嘆きが聞こえてくる。
損得感情さえ湧いているのがわかる。
理屈ではわかっている。感情を理屈で抑え込んでも無理なのもわかっている。
もう何度も泣いて苦しんで悲しんで涙さえ出てこない。
そんな時期はとうに過ぎて達観したはずなのに何度でもぶり返す。
その心の叫びを振舞いの明るさで抑え込んでいる心の窮屈さが見え隠れする。
せめて自分の残り僅かな人生に人生経験を詰め込んで意味のあるものにしたい。
生きた証を残して意味のあるものにしたい。
他人に自分が生きていたという証を認めてもらいたい。
それを真っ向否定するように、他人を必要とせず完全体として見える春樹。強い。
だから春樹のまるですべてに達観しているような落ち着きに興味を持った。
どのようにすれば、どのような考え方をすれば、そこにたどり着けるのだろうか?
余裕はない。心にも時間にも。
春樹へ罪悪感を感じながらも、春樹は唯一、自分の弱さを吐き出せる場として、
それを全て受け止めてくれる器の人と見込んだ。救ってくれる人と見込んでしがみついた。
死への砂時計の砂は刻々と落ちて行く。
桜良の発する言葉の裏に現わされた恐怖、怒り、嘆き、焦りの叫び。
奇跡が欲しい、でも、そんなものは無い。理屈で抑え込んでも感情が反発する。
気持ち悪い明るさと強さから醸し出される本音の弱さ。
その裏心の気持ち悪さを体現している浜辺美波の演技力が凄いのですね。
実は演技力ではないかもしれない。彼女の才能なのかもしれない。
この気持ち悪い明るさを出せた浜辺美波がこの映画をヒットさせたと言っても過言ではない。
もちろん、映画は監督のモノではあるが。
選択のきっかけは名前では?
浜辺美波がとっても可愛くて、完璧に桜良のペースに持っていかれるのだが、俗に言う小悪魔なんて言葉では表現できない透明感に魅了され、主人公の僕よりも動きを目で追ってしまうほど。小悪魔ではなく、余命を知り自分に素直に生き抜こうとしている、儚い天使のよう。
ませているというよりも、考えの深さが大人びている桜良が、彼氏ではない人といけないことをしてみたいというのは、高校生らしい等身大の素直な好奇心で、どっぷりと恋愛に浸かって失う怖さが増す愛を欲しているわけではないことがわかる。あくまで健康な子と同様に、幸せな充実した日常を送りたいという、当たり前に思いがちな時間の有り難みをわかりぬいた希望。
それを叶える人として選ばれた僕、なのだが、最後に僕の名前が「春樹」だったとわかった瞬間、全ては彼らの両親が「春樹」「桜良」と名付けた時から始まっていたのでは?!と、鳥肌もの。
限りなく沢山の選択の積み重ねが引き合わせて通い合った2人が、選択も希望もしたつもりがない「最期の瞬間」により引き裂かれてしまったやりきれない悔しさに満ち溢れる。
想像だが、桜良は同じクラスにいる読者好きの子の名前が春樹で、語源が似ているなぁというところから興味を持ったのではないか?
軽々しく名前を呼ばず、きみ、と呼ぶシャイな僕がとても誠実で、目立たなくても芯のしっかりした素敵な青年。本人は人とちゃんと向き合おうとしていないだけだと言うが、桜良が抱きついてきたら、「彼氏でもない本気でない人にそんなことしてはダメだ。自分を大切にしないと。この地味な僕ですら男で、本気を出したら無理矢理にでもきみのことを壊してしまえそうだし、今事実、きみのことが大好きでこれ以上挑発されたら理性を保てないよ。きみにとっては好奇心の対象でも、僕にとってはとても大切な人なんだから。」とばかりに無言で押し倒す。そして、しっかり自制して、潔白なまま帰ろうとする。ところが、桜良の家で待ち伏せをしていた元カレには、しつこい男は嫌いらしいよ、と桜良を大切にできない人間は許さないとばかりに、強い言葉を放つ。
普通の青春映画に抜擢されるような主役級イケメンには醸し出せない、自然で絶妙な深みのある人間性を感じさせる北村匠海がこの役で、納得しかない。
「誰かの、自分の病気と同じ部分を食べてもっと生きたい」「食べられた人の中で存在として生き続けたい」「花がついていなくても次の芽をつけて咲き続けている桜でありたい」「むしろ、正反対で憧れの君になりたい」色んな想いが集約された、「君の膵臓をたべたい」。あらゆる告白よりも、表面ではなく真をついた表現。それだけ思い合っていたけれど、当時は、お互いにはっきりと自覚して言葉に起こしていても、届かぬままだった気持ちは、12年の歳月を経て、僕が桜良の助言通りに教師となり図書館に来たからこそ受け取ることができた。
図書委員として図書館の蔵書を整理した12年前の桜良との日々を、教師として再び図書館閉館に携わり蔵書を整理する中で回想し、気持ちの整理をしながら次世代の教え子に、間接的に青春の儚さや今生きている瞬間の尊さを教えていく僕の姿は、当時のままのかっこつけない誠実さに溢れている。繊細で自分の殻の中にいて他人との深い関わりを苦手としていた春樹もまた、桜良を胸に、立派な大木へと成長した。桜良の願い通り、桜良は人と通い合う人生を全うし、大切な人々の中で生き続けているのだ。そして春樹が成長したからこそ教え子と出会い、教え子との心の通い合いがきっかけで見つかった、桜良との思い出の星の王子様に挟まる遺書。
「こんなに君を悲しませるなら仲良くなんかならなければ良かった。何にもいいことはないじゃないか」と言う王子様に、「いやある。心で見なくちゃ、ものごとは良く見えないのさ。肝腎なことは目には見えないんだよ」と返すキツネの言う通りである。
知らぬ間に静かに静かに病が深まり最期に向かっていく腎臓は、春樹と桜良の目では見えない心の関係性に重なる。
いつも春樹を自分のペースに巻き込み話を進めていく桜良なのに、真実か挑戦のゲームで、「どうして名前で呼ばないの?」とはどうしても聞きたかったのに聞き損ねてしまった桜良。でも、名前で呼ぶか呼ばないかとか、彼氏になるかならないかよりも、心の通い合いを大切にしていた春樹は、桜良にとって充分に星の王子様を貸し借りしあえる関係性にふさわしい。
それでも、「クラスで1番可愛い」「付き合って欲しい」「大好きだよ」「失いたくない」「抱きしめたい」って、本当は言われたかったはず。その表面的な言葉よりも、「クラスで3番目に可愛い(けど見た目じゃなくて1番好きな存在)」「君の膵臓をたべたい」って返す春樹、自覚していないようだけれど本当に素敵な男性。
深い心の通い合いを求めながらも、好き好きアピール満載で春樹に次々言葉を投げかけ、しかし核心には迫れない桜良は、家族や友達の前では大人びた思いやりが優先だが、春樹の前では年頃の恋する乙女らしさ満載で、とても可愛かった。
病状の進行が穏やかとはいえ、予期せぬ最期に見舞われるよりも前に、きちんと遺書を仕掛けて済ませておく桜良には、どれだけ時間が経っても忘れずに桜良を心の中で生かしてくれて、見つけてくれる春樹がお似合いで、人を見る目がある。
ガムいる?って声をかけてくれた友達が、深くは聞かずに遅く咲くエゾ桜の名所を調べてくれたり、ひとりだった春樹を気遣い通い合う、陰なる主要人物。
でも、矢本悠馬演じる彼が、桜良の親友と結婚に至り、しかも上地雄介になっていたビジュアルの変化には驚きだった笑
春樹を大切に思いやるガムくんと、桜良を過干渉なほどに大切に思う京子がうまくいくのだから、やっぱり春樹と桜良にも結ばれて欲しかった。
選択の積み重ねと言うけれど、最期は誰にもわからない。最期の思い出作りのつもりでルンルンで会いに行こうとしていた桜良と、待ちに待った退院でまだ最期までは時間が少しあるつもりでいた春樹、どちらも話題にしていたにもかかわらず、他人事意識でいた通り魔による、予想外の最期。
やるせない思いでいっぱいになる。
春樹は、夏でも秋でも冬でも、これからもずっと、桜良を心に咲かせ続けるのだろう。
全167件中、1~20件目を表示