君の膵臓をたべたい(2017)のレビュー・感想・評価
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心を揺さぶる
2018年にAmazonプライムで鑑賞。
ふとした弾みで原作を読み、映画をネットで鑑賞しました。
何度読んでも、何度観ても泣けてきます。歳を取ると、涙腺が弱くていけません。
「選択が私たちを会わせた」、自分を振り返ると心に響きます。そう、自分の選択で今の自分がある。納得しているものの、あの頃に戻って別の選択をしていたら。
原作と映画を比べると、主人公二人の性格設定が異なるように思えました。「僕」は、原作では損得計算の上で人と交わらないことを選択していたのに対し、映画では傷付き/傷付けることに臆病なように見えます。原作の「僕」はブリキのロボットで、桜良が流れ込んで人の心を持つのに対し、映画の「僕」は星の王子様であり、桜良から人と交わることの尊さを教えられたように感じました。
桜良の性格は、「僕」に釣り合うように、映画では純粋化されていると感じました。彼女は積極的に行動する女性、少し気になる相手を知りたい-〉嫌われてないけど反応が薄い-〉好きになった、どうしよう。臆病な相手に言動がエスカレートしてしまうようです。更に桜良は、病気で追い詰められていますね。
北村匠海さんと浜辺美波さんは、繊細な心を表現して好演です。この映画の最大の収穫は、浜辺さんの美しく豊かな表情と仕草で、役者としての成長を見続けたいです。
桜良が「僕」に宛てた最後の手紙は、臆病な「僕」を勇気付けるために贈られた、と受け止めました。臆病なために孤独を選び、桜良が居なくなっても傷付けられないように、桜良を心の中の友達でも恋人でも無いところに押し込めようと必死な「僕」。桜良の「春樹は強い、憧れていた」は、春樹の葛藤を知り、孤独を耐える強さに憧れ自分もそうなりたいと肯定した上で、人と交わることを恐れず生きて欲しいという願い。12年遅れて手紙を見つけ、ようやく前を向くことが出来た「僕」。
そして最後のタイトルフレーズに繋がるくだりは、春樹の中で生きたい、やっぱり、春樹と一緒に生きたい、という、桜良の本心を現していると感じました。
満開の桜
数多ある物語の型の隙間にわずかに残されたスペースを、この作品が取った。
そんな感覚を覚えてしまうほど、この物語に心を掴まれてしまった。
いったい何回見ただろう。
未だ見飽きることのないのは、この物語と私との間に感じる真実の様な何かがあるように思えてならないからだろう。
だから小説も読んだのだが、この作品は映画の方がずっとよかった。
さて、
思春期になれば誰もが異性を気にしてしまうもの。
どんなに自分の世界に閉じこもっていても、クラスでの些細な出来事につい注目してしまう。
最近では草食男子という言葉があったように、女性の方がリードするというのが、女性にリードされるというのが、男子諸君の夢なのだろうか?
奥手とか、消極的とか、基本的にそんな男子の方が格段に増えているようだ。
山内桜良
この物語の原動力のすべてが彼女によって行われている。
その彼女との出来事を思い出すのが、志賀春樹の役割となっている。
桜良が春樹に興味を持ったのは、病院で置き忘れた「共病文庫」を志賀が拾い読みしたことだった。
その彼がそのことを隠し持つように黙っていることが、彼女には信じられず彼に興味を持ったという設定になっている。
しかし、同じシチュエーションが起きたとしても、果たしてそんなことはあり得るだろうかという疑問は残る。
また、彼女は以前委員長と付き合っていた。
しつこい彼が好きではなくなり、その後別れた。
時を同じくして彼女は自身の病気のことを知ったのだろう。
すい臓がんという病気は、発見されればすでに手遅れとイコールだ。
調子が悪くなって入院してしまえば、1ヶ月程度で亡くなってしまう。
調子が悪くならない限り、本人がそれを聞かされても実感がないというのが通常だ。
つまり
この物語そのものは、意外に矛盾があるのだ。
ではなぜこの作品にこれほど引き寄せられるのだろうか?
まずは、女子に言い寄られるという男子の夢がある。
知らない街へ遊びに出掛けるのも夢だし、まさかそこで一泊するというのもまた夢。
そうしていつの間にかペースを握られたころでにわかに実感する「死」というもの。
彼女にとっても、自分が認めた誰かを好きになるというか、少しでも想ってもらえるという感覚が欲しかったという点は納得できる。
具合の悪さと入院は、死というものの存在をダイレクトに実感させるのだろう。
その恐怖と戦っている彼女の存在は、彼にとっても次第に現実のこととして共有されていくことになる。
さて、、
作家は桜良の死を病気で終わらせなかった。
もっと残酷に、通り魔に命を奪わせた。
覚悟する間もなかった。
あのビルのTVモニターですべてのことを知る。
春樹にとって、彼女の死に対するショックは井上尚弥チャンプのカウンターのように炸裂したのだろう。
このKOされたショックはしばらく続く。
共病文庫を読みに行ったのも、葬儀からずっと後になってのことだった。
しかし彼はそれで立ち直ったわけではなかった。
そのままの状態で大人になって、ボーっとしたまま教師になって、やがて母校へと異動になった。
この作品は、そんな彼の再生の物語になっている。
ここが原作との違い。
図書館の改築と図書委員の補助
もう教師なんて辞めてしまえと思っていたところに起きた過去を思い出す旅。
聞きそびれた桜良の言葉
そしてその手紙を見つけた時、悶々としていた気持ちにケリをつけることができた。
死別では誰もが似たように、思いを伝えることができなかったという経験があると思う。
純粋であればそれだけ、その思いをいつまでも引きずってしまうのかもしれない。
そしてまた、最後の「僕と友達になってください」という一風変わった着地点。
パートパートをチェックすると、この物語のプロットには多少歪さが伺える。
でもなぜか、その不完全さと主人公の不完全さ、そして純粋な当時の想いが、まるで灰の中に隠れていた宝石のように浮かび上がってくる。
登場人物も、視聴者も、みんな不完全だ。
その不完全さを知り、自分の不完全さと重ね合わせて、そしてそれを赦すように涙があふれてくる。
いつか気が付くときがある。
それだけで十分なのだろう。
そんなことが人生に起きれば、それだけで勝利したことになるはずだ。
だから、どんな時も、いつでも桜は満開なのだろう。
その満開さに気づけばいいだけだ。
見る度に
発見があって面白い
昔観た時は若いのもあって、ただでさえ病気な子が最後殺されて え、何コレ…ぐらいしか感想がなかったんだけど
本当に見る度に気づかされる
クラスメイトの矢本悠馬から渡される「ガム食べる?」への反応が段々変わってくのがまた泣ける
元気な人だけじゃなくて余命いくつって言われてる人でもそこまでで生きられる保証なんてないんだよって
あととにかく浜辺美波ちゃんが天才すぎる
君の膵臓を食べたい
感想
今回久しぶりに再び鑑賞した。
本作劇中の春樹と桜良の台詞で印象深かった部分を揚げてみる。住野氏の原作は勿論のこと、吉田智子氏の若者らしい瑞々しくそれだけに切ない感情の起伏や生きる事への拘りを感じる脚本が素晴らしい。
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桜良に残りの人生でやりたい事を考えろという春樹。桜良は自分の希望の手伝いをして欲しいとして、休みに春樹を呼び出す。言葉に素直に応じて待ち合わせ場所に来る春樹。
「でも、君以外には言わないよ。だってクラスメイトのこんな秘密を知ったら普通動揺するし引くでしよ。なのに君は全然平気な顔で居るじゃない。」
「それは、一番辛い筈の当人が辛い顔を見せないのに、他の誰かが代わりに泣いたりするのってお門違いだから。」
春樹を見つめる桜良。
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連れてこられたスイパラで春樹の人柄と人間関係を
確認するため質問をする桜良。
「僕に親友なんかいる訳ないでしよ。」
「友達は?」
「ずっといないよ。」
「じゃあ、彼女は?」
「いる訳...!」
「好きな人くらいいたでしょう!」
黙り込む春樹。
「(大声で)女の子を好きになった事は〜?」
「あるよ! 一回だけ!」
「どんな人?」
「何にでも''さん"をつける人。」
「本屋さん。店員さん。食べ物までにじゃがいも
さんとか付けてさ。」
「いや〜なんか、僕にはそれがいろんな物に敬意
を忘れないって言う事だと思ったんだよね。」
春樹を見つめる桜良 春樹も桜良を見つめる。
「思ったより素敵だったから。」
「まぁ、素敵な娘だったかもしれない。」
「違うよ。 好きになった理由が。」
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学校の屋上て余命の話をする春樹と桜良。
「君はさ。本当に死ぬの?」
「死ぬよ。あと1年、持つかどうかって言われ
てる。」
「君にしか話さないって決めたんだ。」
「君はきっと唯一人、私に普通の毎日を与えてくれる人だから。」
「お医者さんも真実しか与えてくれない。お父さんもお母さんも日常を取り繕うのに必死になっている。恭子も(死の)事実を知ったら同じになると思う。でも、君だけは違う。」
「僕は唯、(死と)向き合おうとしてないだけだよ。」
顔を俯ける春樹。
「そんな難しい顔をするんじゃない!どうせいつか
は皆死ぬんだし。」
「ほら。天国で逢おうよ!」
空を見上げる桜良。
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桜良の病室で桜良に学校の課題を教える春樹
「詩の本質は感情を形にする事。祈りであり願い。だから、ひとつの言葉が想いのままに吐き出されていくようになる。」
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桜良の家の前で雨が降る午後、元彼の隆弘に春樹は罵倒され殴られる。桜良が助けに入る。山内家の玄関にて。
「僕なんかがそばにいて良いのか?」
「委員長が言った通りだよ。僕は。偶然病院で君と逢って。流されてるだけで。もっと誰か、本気で君を想ってくれる人と居たほうが...。」
「違う!」
「違うよ。偶然じゃない。流されてもいない。私たちは皆、自分で選んでここに来たの。」
「君と私が同じクラスだったのも。あの日病院にい
たのも偶然じゃない。」
「運命なんかでもない。君がしてきた選択と、私が
してきた選択が、私たちを逢わせたの。」
「私たちは自分の意志で出逢ったんだよ。」
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桜良の様子を心配して深夜に病室に訪れる春樹。
春樹に尋ねたい事があると言う。
「真実か挑戦か?」
「真実。」
「君にとって、僕は、...いや、君にとって。生きる
ってどういう事?」
「えっ。...うわぁ〜。真面目かよー。(笑)」
「う〜ん。誰かと心を通わせる事。かな。」
「誰かを認める。好きになる。嫌いになる。誰かと一緒にいて。手を繋ぐ。ハグをする。すれ違う。それが生きるー。」
「自分ひとりじゃ、生きているってわからない。そう。好きなのに嫌い。楽しいのに鬱陶しい。そういうまどろっこしさが。人との関わりが。私が生きているって、証明だと思う。...だからこうして君と居られて良かった。」
「君がくれる日常が、私にとっての宝物なんだ。」
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桜良との突然の別れが訪れた事を生徒の栗山に話
す春樹
「甘えていたんだ。残り残り僅かな余命を、彼女が
全う出来るものだと。思い込んでいたんだ。」
「馬鹿だった。明日どうなるかなんて。誰にも判らない。だから、今この一日を、この瞬間を。大切にしなければいけないって。そう彼女に教わったのに。」
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演出・配役
作品としてよく纏められている。監督の力量に依るところが大きいと感じる。また、北村匠海さん浜辺美波さんの演技は人物像をよく捉えており、物語として充分に感動し楽しむことが出来た。
2017年8月11日初鑑賞
⭐️4.5
キツい 25分でギブアップ
クラスのモブ男子が、クラスで一番人気者の女子の秘密をその子の目の前で偶然に知ってしまったというだけで、なんでその女子が急にモブ男子を追っかけ出すのか。開始早々この意味がわからない設定に早くも退屈し始めた。
しかもこの女子の、人を振り回す系の我儘タイプにはついていけない。
結果、25分見てギブアップ。
青春の履き違えにも程があるってレベルで、酷くネジ曲がった感性で描かれたエセアオハルモノ。例えばSFはそもそも非現実だから問題なく受け入れられるが、この映画のような現実に近しい殻を被った非現実は見るに堪えない。
突っ込みどころ満載の中から強いて突っ込むなら、序盤、モブキャラの目の前に偶然女の子の秘密ノートがバサッと落ちてきて、1ページ目をしっかり読むだけの時間があって、女の子が「それ私のノート♪私の秘密知っちゃったね♪仲良くしてね♪」。この全てが言わずもがな非現実。
こんなモノでウキウキしてしまう人ってのは、まともな青春を経験できなくて、挙句の果てに妄想に浸るタイプの人だと、偏見ながら思ってる。
キショい映画だ。劇場で観なくてよかった。
通り魔はいけません
ストーリーがしっかりしているので、いい映画だった。
道東のエゾ芝桜を観にいく約束が、通り魔によって遮断される。
確かに、通り魔は伏線で示されていたが、
余命いくばくもない主人公が刺されて死ぬのはあまりに可哀そう。
モテない男の空想の女の子
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人との交流が苦手な男子高校生とクラス一の人気者・美波。
男は偶然、美波が膵臓病で余命一年ということを知る。
それは美波が親友にさえ言ってない秘密だった。
それを機に美波は積極的アプローチして来て、急接近する。
男は内気で断れない性格のため強引に旅行に行き同じ部屋に泊まる。
その後、美波は急に入院。そしてやがて退院し、男と待ち合わせ。
でもその道中で通り魔に刺されて死亡。
男は美波が生前書いてたノートを見て、気丈だが実は辛かったことを知る。
誰に話しても特別な目で見るだろうが、男はそうでなかったから近づいた。
そして退院と言ってたのも実は末期状態を迎えての一時外出だった・・・。
男は美波が向いてると言った言葉を信じ、母校の教師になっていた。
そこで美波が生前に書いた遺書のようなメモを発見する。
自分宛のものの他、親友の景子に対するものもあり、景子に届けた。
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カワイイ子が何らかのきっかけで自分だけに馴れ馴れしい・・・
この天真爛漫な美波ちゃん、モテん男が空想しがちな女性そのもの。
おれも高校時代はよくそういう空想をしたものだ(場)
映画によくあるご都合主義で、タイミングが全てドンピシャ過ぎやけど、
まあそこは許すとして、全体の話はよくできてたんちゃうんかな。
ただやっぱり、何でもかんでも美化され過ぎてる感は否めない。
いまアニメ版の映画やってるみたいやけど、その方が感情移入できそう。
シュール過ぎる話って、実写やとどうしても入り込めんのよな。
それにしても最後、通り魔に刺されるってのは何とかならんのか?
あまりにも不運過ぎてかわいそうになって来るがな(場)
日本十進分類法で135.5は20世紀のフランスオランダ哲学
最期の15分間だけの映画です。
原作と映画は全くの別物です。
原作は男の人だが、脚本が女性だと思うので、大変に良くできていると思う。
アニメもあるんだ?見てみるか。
20分位に短縮したら、傑作になるかも。
但し、高校生諸君には俯瞰した言葉で申したい。
900番台には、もっともっと、感動できる話しがたくさんあるので、学校の図書館で探して見てね。公共図書館では、予約で100人待ちの本が、学校図書館では簡単に見つかるよ。それに静かな所だから、昼寝にも最適。
因みに『星の王子さま』は『953.7 テ』かなぁ?
まぁ、岩井俊○さんの『ラブ○ター 913.6 イ Bかなぁ』をリスペクトしていると思ったが。
追記
こんな良い図書館閉館させてしまう。この映画で一番泣けた所です。こんな高校の先生にはなりたくないね。それが僕の『真実と挑戦』かなぁ。
ランゲルハンス島の中心で、愛をさけぶ。 「かわいい」は、かわいくない。
膵臓の病を抱えたクラスメイトの女子高生・山内桜良との日々を、母校の高校教師となった「僕」による回想形式で描き出す青春ラヴストーリー。
余命いくばくもないヒロイン、山内桜良を演じるのは『エイプリルフールズ』『咲 Saki』の浜辺美波。
人との関わりを避ける図書委員の高校生「僕」を演じるのは『陽だまりの彼女』『信長協奏曲』の北村匠海。
桜良の親友、滝本恭子(現在)を演じるのは『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』『パラダイス・キス』の北川景子。
現在の「僕」を演じるのは『ミュージアム』『銀魂』シリーズの小栗旬。
「僕」のクラスメイト、ガム君を演じるのは『ちはやふる』シリーズやテレビドラマ『ゆとりですがなにか』の矢本悠馬。
原作は300万部越えの大ベストセラー同名小説。これは未読であります。
邦画お得意の「女子高生難病もの」。一言でいえばポスト『セカチュー』映画であります。
正直言って、かなりしんどかった💦
それほど長い映画ではないのにも拘らず、途中で休憩を挟んでしまうほどにキツかったのは、浜辺美波演じるヒロイン・山内桜良のキャラクター造詣があまりにも偶像的すぎたから。
こんなヤツいるわけねぇだろ、ってくらいの漫画的ヒロインキャラだったので、この子が難病で苦しんでいるって言われても「ふぅん…」以上の感情が湧いてこない。
大体セリフ回しがあまりにも小説的というか、話し言葉になっていない。屋上での会話で「こらこら。そんな難しい顔するじゃないっ!」なんて言い始めた時は、気持ち悪すぎてゲボ吐きそうになったぞ。浅倉南かお前はっ💦
確かに桜良を演じた浜辺美波はキュート。それは誰もが認めるところだろう。
しかし、あまりにも作為的な「かわいい」仕草には観ていて胃もたれしそうになった。
誰の言葉か忘れてしまったけど、「かわいいはかわいくない」という至言がある。
これは本当にその通り!何者かによって意図的に創造された「かわいい」は可愛くないのです!自らが主体性を持って見出したモノ/人にこそ「かわいい」は宿るのです!!
真の「かわいさ」とは千差万別があって然り。押し付けられた「かわいさ」にはなんの価値もない。
花王が発売するヘアケア製品のブランド「エッセンシャル」のキャッチコピーは「カワイイはつくれる!」だが、俺から言わせりゃ「作られたものはカワイくない!」だっ!
あと、この手の映画全てに言えることだけど、余命いくばくもない難病患者にも拘らず、血色が良すぎ。全然死にそうな人に見えない。数日間全く食事ができなかったんだロォ!?もっとガリガリにならんかいっ!!
この手の映画はヒロインに気持ちが乗れないとまさに地獄。2時間がいやー長かった。
正直ストーリーもなんやこれ一体?って感じ。「ボーイ・ミーツ・ガールはドラマになり得ない」という鳥海永行監督の言葉を思い出さずにはいられない、おままごとのような物語でしたねぇ…。
すげーどうでも良いことだけど、通り魔に殺された娘の携帯に「君の膵臓をたべたい」ってメールが送られていたら、「お巡りさん!犯人はコイツですっ!」ってなりそう。
特に酷いと思ったのは現代パートのクライマックス。
この現代パート、恭子から送られてきた結婚式の招待状に「僕」が返信しなかったり、トボトボと通勤する「僕」の後ろ姿を恭子が思わせぶりな表情で眺めていたりと、「この2人の間に何かあったんだろうな…」と観客が思わざるを得ない描写が続く…、が。
…いや、特に何にもないんかいっ!!じゃあさっさと返事を返せよ!めっちゃ迷惑だぞその行為。
この2人、共通の友達がいるってだけの殆ど赤の他人。
そんな2人の間にドラマが生まれるわけもない。
クライマックス、遺書を見つけた「僕」が結婚式場に駆けつけるわけだが、息を切らした平服の男が式場に駆け込んできたら、式場のスタッフは「やべぇ!修羅場だっ!」と思うでしょうね。ダスティン・ホフマンかお前はっ💦
大体あの手紙、そんなすぐに届けないといけない内容でもなかったし。普通に結婚式終わってからで良くないっ!?
案内状に返信もしないで式場に来て「友達になってくださいハァハァ」って言い始める、そんな男とは友達にならない方がいい。
この現代パートは映画オリジナルらしい。なるほどねぇ…。
ボロクソ書いたけど、良かった点もありますよ。
主人公を演じた北村匠海さんの演技は素晴らしかったです✨
人と会話する時の、どこ見ていいのか分からずキョロキョロっとしてしまうコミュ障的視線の動かし方は見事。非常にリアルな人物として「僕」をスクリーンに現出させることに成功しています。
特に素晴らしかったのは桜良が通り魔に殺されたことを街頭スクリーンで知る場面。
あのあまりの衝撃に自体を飲み込めず、呆けた様な無表情になってしまうという演技は本当に見事でした👍
もう一人、「僕」のクラスメイトのガム君を演じた矢本悠馬さんも素晴らしかったですね!
めっちゃ演技が自然体。出番は多くないが、間違いなくこの映画の中で一番演技が上手い役者さんでした。
そもそも、このガム君っていうキャラが良い。絶対に嫌いになれない愛すべき人物。もっと「僕」とガム君のブラザーフッド的な友情シーンが観たかったっす。
…いやでも、矢本悠馬の10数年後が上地雄輔ってあり得ねえだろっ💦全然顔違うじゃん!話し方も醸し出す雰囲気も何もかも違うじゃん!この約10年で、ガム君に一体何があったんだ…。
顔の系統的に言って、今野浩喜とかがベストだと思うけどなー。というか、出番も少ないんだし本人に老け顔メイクを施せばいけるんじゃね?
とまぁ、北村匠海さんと矢本悠馬さんの演技がとっても良かったのでちょっぴり加点。
単純な自分はこの映画を観て「メメント・モリ〜〜。一日一日を大切に生きていこう!」とか思ったんだけど、よく考えてみると世の中の99%の映画は「今を大切に生きよう」というメッセージを発している。別にこの映画が特別なんじゃないよな…。
どんな映画でも、大体観るたびに「一日一日を大切に生きよう!」と思ってるな俺、ということに気付いたりした、そんな一本でありました。
30過ぎの男には、この手の映画はやはりキツい!!
浜辺美波さんの可愛さのせいで余計に泣けました。
原作は読んでなくて、以前からとにかくタイトルが気になってたのと浜辺美波さんが主演だったので今更ながらようやく観ました。
浜辺さん、大友さん、可愛すぎる。
特に浜辺美波さん、八重歯が上唇に引っ掛かりがちなこの頃は最強!!!
演技もナチュラルで上手!
昔も今もやっぱ男って顔が可愛くてちょっと何考えてるかわからないけど絡んでくる女の子には惹かれてしまう生き物なんですね。
偶然でも運命でもなく私たちがしてきた選択が私たちを会わせた、私たちは自分の意志で出会ったという桜良のセリフ、グッと来ました。
桜良の死にはあまりにも意表をつかれましたが、そういや前フリがあったなあと。。。
おっさんになった今だからこそ春樹の行動にモヤモヤするけど、その当時だと自分も同じなんだろうなと思いながら観ました。
北村クンも東京リベンジャーズと役柄は全然違うけどやっぱり上手い。
知らない間に春樹の気持ちになって結構泣けちゃいましたし、心が浄化されました。
ちょっとだけ気になったのが…山内と浜家って苗字が出てくるのは…誰かがかまいたちのファンだったりする?関係ないですよね?汗
こういうストーリー多いですが…
今更ながら、初めて視聴しました。
こういう、高校生が病にかかって余命少ないなかでの恋物語多いですが、これは違った。
ストーリーはそんなに新鮮ではなかったのかもしれませんが、浜辺美波ちゃんと北村匠海くんの演技に引き込まれました。
恋人同士ではない二人の関係ですが、それがよかった‼︎
そして、変に、家族とかその他大勢の登場人物がいなかったおかげで、二人の関係性だけに集中できたのも作品としてよかったのだと思います。
北村匠海くん、根暗な役とても合ってました。
視線の使い方とか、内気な男子学生そのもの。
浜辺美波ちゃんは、よくよく考えたらキャピキャピした台詞多いですが、彼女が言うと嫌味なく自然体、ただただ可愛い。
彼女の意外な最期に呆気にとられましたが、(その伏線回収してほしくなかった…)
「生は偶然、死は必然」、どんなことで最期を迎えるかなんて誰にも分からないですね。
そう思うと、「生きてることって奇跡」と感じさせる最期と思い、納得できました。
ひどい原作改変に絶望しました。
私は住野よる先生の原作が大好きな人間です。よって映画のみ視聴した方々とは感想が違ってくることを先にお詫びします。
私ははっきり言って物語の結末を大きく変えたこの映画を許せません。この作品の主題は、「人は人との関係によって変わる」であると感じます。咲良と出会うことで、人との関係を持ちたがらなかった春樹は少しずつ咲良に心を開いていきます。さらに咲良が病気ではなく通り魔に刺されることで、春樹は「死は余命宣告された咲良でさえも唐突に、平等に訪れる」ということを悟ります。原作の春樹はそのことを思い知ったのち、すぐに恭子のもとを訪れ、共病文庫を渡し、咲良の病気のことを打ち明けたうえで、恭子と友達になろうと持ち掛けます。
一方映画の春樹は大人になるまで行動を起こしません。私はこの原作改変が許せない。これでは咲良が余命よりも前に死んだ意味がないと思いませんか?この映画において咲良の死は、「突然の別れで悲しい」という感情としてしか扱われません。「さあ、春樹に感情移入して泣くシーンだよ!」という雑な描写に使われたことが許せない。ただただ恋愛のキュンキュン(笑)と別れの悲しさを描いた安っぽい作品になぜしてしまったのか。若い高校生世代をターゲットにした作りなのは、キャスティングを見れば明らかです。そういう何も考えずに恋愛映画を見に来た視聴者の食い物にされたことが非常に残念です。また他のレビュアーの方が、「大人になる時間の必要性」について語っておられましたが、そんなゆっくりしている時間は無いのです、いらないのです。大人の春樹と恭子の描写は完全に蛇足であったと言わざるを得ません。原作を読まれた方々がこの映画に高評価をつける神経も分からない。一番大切で一番二人の関係が強いこの場面を簡単に省かれたのにもかかわらず...
以上です。ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。映画しか視聴していない皆様は、原作を拝読されることを強く推奨いたします。
本当に素晴らしかった
本日で4回目の鑑賞でした。やはり、素晴らしい作品は何度観ても素晴らしい。時間を空けて観るとまたさらに違った見方をすることが出来る。浜辺美波さんと北村匠海さんの素晴らしい自然な演技。現在と回想を行き来する上での対比。浜辺美波さん演じる桜良の強引さと北村匠海さん演じる"僕"の控えめさが生み出す絶妙な空気感。そしてラストにはタイトル回収。自然と涙が出てきます。"生きる"とは何なのか。当たり前の日常の喜び。このような世の中になった今、是非観て欲しい作品です。
甘くみてた。
思いのほかよかった。「選んでここにいる」っていうのはすごくいい。
3回くらい泣いた。
北村匠海と浜辺美波は陰陽すごく良い。
小栗旬はあんまり。
ストーリー 91点
配役 88点
音楽・映像 95点
全体 91点
満開の桜見せてあげたかったー
悲しいストーリーなんだけど
美しくてキラキラした映画だなと思った。
読書家の「ボク」のセリフの日本語がきれいで
対象的にさくらちゃんはキャピキャピした明るい話し方で、
友達もいないボクと
クラスで人気者のさくらちゃんの
何から何まで正反対な二人だけど
そんな二人だから惹かれ合って
支え合えた。
そんな気がした。
きみの膵臓をたべたい
言ったことも言われたこともないけれど
最高の褒め言葉!
美しかったです。
北村匠海の嗚咽泣きシーンでもらい泣きしました。
1日の命の重みは皆同じ
1日の命の重みは皆同じ。
これこそが本作の主題でしょう。逃れられない死は遅かれ早かれ人に訪れるもの。それを恐れていても、いなくても、人の命は突然なくなることもあるということを感じれる。とても素晴らしい作品でした。
「いや、そんなありきたりな言葉じゃ言い表せない。君の膵臓をたべたい」
この言葉こそが、この映画を素晴らしいものにしてくれましたね。
中盤までは良かったけれど…
病気を題材にした作品はたくさんあるので似ている内容のものがあると冷めてしまうというのが本音です。結論から言うと泣きませんでした。
原作は拝読させていただいたことがあり、内容もオリジナル性が高く、若いキャスト陣のお芝居が素敵でした。
中盤までは良かったのですが、病気の主人公、もしくはヒロインが病気とは別の理由で亡くなるという内容の作品をいくつか鑑賞したことがあり、ありきたりなパターンだと感じてしまいました…
しかもかなり突飛な流れだったために、もう少し伏線が必要だったのかなと思いました。
浜辺さんや北村さんのお芝居は素敵でした。
これまでに無いくらい泣きました…
咲良が通り魔に刺される前のシーンの時、いっぱいおめかしして真っ白な綺麗なワンピースを着てとても楽しそうな表情で家を出ていったのに、通り魔事件に巻き込まれてあのワンピースが真っ赤に染まっちゃったんだろうな、って想像するととっても切ないです…
美波さんがあの役を演じるからこそとても儚い感じがでてて本当に素敵だと思いました😭
後半のシーンで春樹が「ごめんなさいお母さん、もう泣いてもいいですか」このセリフで涙が止まりませんでした。匠海さんが思いっきり泣く演技も本当に涙がつられました、、大人になった春樹の回想シーンから始まってここまで泣くとは思いませんでした、、最後のシーンで咲良が微笑みを浮かべながら大人になった春樹を見つめてる所が本当に素敵でした。小栗旬さんの渾身の泣くシーンも最高でした。何度見ても泣ける作品です。大好きです
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