「【「もう、泣いていいですか」】」君の膵臓をたべたい(2017) ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【「もう、泣いていいですか」】
小説「君の膵臓をたべたい」。
書店で気持ちの悪いタイトルの本だなと思って、手に取って帯を見てみたら、好評で、それで買って、スタバに長居して一気読みして、”あの一言”で涙があふれた。スタバで隠すのが大変だった。
映画「君の膵臓をたべたい」。
もう原作は読んだし、もう泣くことはないだろうと映画館に足を運んだが、”あの一言”の前に既に涙が溢れていた。
映画のエンドロールの終わりまでに心を整えて座席を立った。
アニメ「君の膵臓をたべたい」を地上波で観て、今度こそ泣かないだろうと思っていたが、また、”あの一言”で涙が溢れた。
映画「君の膵臓をたべたい」のレビューを書いておこうと思って、Netflixで観た。また、”あの一言”の前に涙が溢れていた。
映画の方は、原作に大人になった「君」と恭子のアナザーストーリーが加わっている。
どちらも、桜良が心を開かせようとした二人。
闘病ではなく、共病。
「共病文庫」。
人は、自分の人生が残り少ないと分かっても、一日一日を前向きに生きることができるだろうか。
病気を悟られないようにしながら、家族や友人と明るく過ごせるだろうか。
そうありたい。
でも、難しい。
だから、「君」が選ばれたのだ。
でも、それは「君」が「共病」に相応しいからだ。
笑ったり、遊んだり、旅行したり、怒ってたり、楽しんだり、不安になったり、そして、悲しんだり。
すべて大切なことだ。
人を好きになることは大切なことだ。
「もう、泣いていいですか」
いい。泣くことも大切だ。我慢なんてする必要はないんだ。
映画「君の膵臓をたべたい」は、もう一つ泣くポイントがある。
手紙のやりとりのところだ。
長い年月を経て、友達になるところだ。
やっばり、人を好きになることは大切なことだ。
映画は、浜辺美波さんと北村匠海さんの演技が光る。
原作を読んでいたのに、僕のなかの、桜良と「君」は、完全に、この二人に入れ替わってしまった。
アナザーストーリーは、意見はありそうだけど、こちらも時を経て友達になれたんだから良いじゃないか。
そんな気がする。
大人パートはやっぱりいらないかな。
最大の問題は、
桜良の死と言うこの上ないショッキングな出来事があって、
1か月たって、ようやく「泣くこと」ができた春樹。
その彼が、
10年もの間(少なくとも教師になって6年+大学4年間)なんの成長もなかったという事になる。
じゃぁ、桜良の死は何だったの?
ありきたりな言葉ではない、万感の思いを込めた「君の膵臓をたべたい」というお互いの言葉は、心はなんだったのか。
浜辺美波と北村匠海の演技が素晴らしかっただけに、
完全な蛇足にしか見えない。
それさえなければ、、、と見るたびに思う。
『響』もそうだけれど、
どうも月川翔監督は、「余計な事」をしたがる。
そして、大事な「キモ」を外す。
最近、化粧が濃くなった浜辺美波さま。
もう高校生役を脱皮する予定なのかも・・・と想像してます。
美波ちゃん、最後の高校生役!といううたい文句の映画が出来ればヒットすること間違いなしです(笑)