「心が震える時間」君の膵臓をたべたい(2017) としぱぱさんの映画レビュー(感想・評価)
心が震える時間
恥じがいもなく話題作だから観てしまったが、いやいやこれはかなりの問題作である。最近はドラマも映画も原作が漫画ばかり。今の漫画も原作者と作画が違う事が多いけど文章だけでストーリーを紡げない時代になったのかなあ、悲しいぜ。と言うことであまり期待もせず下らないガキ向けのラブストーリーかと…すいません、なめてました反省。多くの人がそうでしょうけど、題名からしてグロテスクな物を想像してしまいましたが、これは非常に理解が難しいというより評価が難しい作品だ。まず、個人的にはラブストーリーではないと思います。最後まで好きだとか愛してるって言葉は出てこない。まだ、好きになるって自覚する寸前のモヤモヤした感じを作品の最初から最後まで感じて終わるある意味イライラする部分が前半から続きます。だけど後半は一気に話が進む。予測された死ではなく唐突の死。この流れが素晴らしい、そして死後に明かされる君からのイタズラ的な贈り物、ラストシーンまでの流れは期待を裏切り心に響きます。ピュアで繊細な十代の頃を思い出しました。前半は日本アカデミー賞も落ちたなあと思ったけど最後までみて良かった。映画としては浜辺美波の天使の演技と木訥で不器用、ネクラでネガティブな北村匠海の演技のコントラストが作品の鍵ですね。更に木訥過ぎる小栗旬とキラキラな北川景子が脇役だもんね、ある意味豪華。ま、突っ込み処はあるけれどなかなか見ていて恥ずかしくなるほどの純粋さって死を意識して生まれるものなのかなあ。最後にアニメのCMがあったけど観たいって思ってしまった。う~ん、オジサン一人で観に行くのはかなりかなり勇気がいるがここは作品の中の言葉を思い出さしてがんばってみようと思う。