「原作は読む価値なし。映画は最高。」君の膵臓をたべたい(2017) マーマレードジャム on the 食パンさんの映画レビュー(感想・評価)
原作は読む価値なし。映画は最高。
原作のレビューから始めさせて頂きたい。
もちろん、それが「御門違い」なのは分かっている。
だが、映画版があまりにも素晴らしかったので、それと比較する為にもレビューしよう。
原作は酷かった。描写に関して言うと論外。
「あはははは!」「くっくっく」など桜良の笑い声を直接書いているところは思わず笑ってしまった。
漫画じゃないんだからww
で、肝心の登場人物や場面の描写はと言えば皆無。
心理描写とは名ばかりの文字数稼ぎで何とか一冊の本になったと言う感じ。
その心理描写もまぁ〜くどい。そこまで心の中で会話する人間なんているのかよ!とまた笑ってしまった。
オチ(病死じゃなくて刺殺)だけは良かったけど、それ以外がもう小説家のレベルに達してない。上手なラノベよりも下手くそ。感動以前に爆笑してしまう。
この間、同じ恋愛小説というジャンルでスタンダールの『赤と黒』を読んだけど、これだよな。恋愛小説というのは。心理描写も、まぁ的確で、ちょうどよくて、読んでて胸が締め付けられる思いがする。
さて、映画だが、これは素晴らしかった。
原作の酷い(というより、皆無な)情景描写の不安を跳ね除ける結果となった。
何と言っても風景が良い。映像が綺麗だった。
浜辺美波には驚いて開いた口が塞がらなかった。
原作の下品な笑い方しかイメージの残らない桜良を脱構築し、清純の象徴に仕上げた彼女の天才性。
北村匠海の演技も尻上がりに深みが増し、最後の泣くシーンは見所だった。
12年後のシーンがあることで、原作の薄っぺらい感じが無くなっていて良かった。脚本家にも感謝だ。
そして、Mr.Childrenの主題歌の素晴らしさ。
映画としては申し分なかった。
確かに原作は鬱陶しい感じでしたよね。
会話と春樹の心理描写が無駄に多くて、作品世界に没入できませんでした。
個人的には情景描写と人物描写が雑でイメージが沸きませんでしたね。ラノベならイラストが挿入されるから別に細かい描写は不要だと思うのですが、小説だから最低限のことは書いて欲しかったです。
あと、会話も本当にあの2人が話してるというよりは、作者があの2人を使って自分の言いたいことを言わせてる感じがして何か冷めました。
その点、映画では焼肉のシーンなどの退屈な部分を省略してて良かったです。
あそこの部分は特に読むに耐えませんでした。
ラノベでもあれほど退屈な会話劇はないと思います。
監督と脚本家次第でこんなに良い感じに仕上がるんだなぁと実感しました。
まぁ脚本家の方が作者よりキャリアも長いから当然なのでしょうが。
原作が無駄な会話が削ぎ落とされたベテラン作家とかだといじるにいじれないけれど、あの原作だから脚本家もバッサリいけたのかなと。
はじめまして。
とても感銘を受けましたのでコメントさせてください。
本は、僕もリリース当初に知り合いの女の子に薦められて買って読み始めたのですけど
確かに、セリフの言い回しがアニメっぽくて、描写もいかにも技巧に走りすぎてて
登場人物以上に作者本人のどや顔が浮かんできて。。「なんだか、鬱陶しい読みにくい本」だなぁと思いながら何度も読み続けることを挫折しながら、映画公開に合わせて慌てて読破したような本でしたので・・
なぜ、こんな本が絶賛されてるのか不思議でした。
ただ、確かに映画は小説の稚拙な部分をきちんと補完されてて本当に伝えたい部分を脚本にしてくれて監督の手腕と天才的な彼女、彼らの演技によってここまで昇華されてるので、原作を越えた映画作品というのも珍しいと思いました。
原作を読んだからこその映画の素晴らしさをより一層感じられました。
原作を忠実に映画にしてたら・・ほんとにつまらない映画になってたかもしれないですね。
エンディングのミスチルの曲の意味の深さも、より一層作品を豊潤なものにしてると感じましたね。