「切ない。」君の膵臓をたべたい(2017) 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
切ない。
住野よるのベストセラー小説『君の膵臓をたべたい』の映画化。原作は未読の状態で映画を見てみました映画化に際して、原作にはない12年後と言う設定を追加し、「僕」は教師になっています。
タイトルだけ聞くと、ホラーかと誤解しそうですが、中身は、切ない純愛のヒューマンヒストリー。最後の方になって、“君の膵臓をたべたい”の意味が分かります。
泣く。泣きますよ、これは。だってねぇ、桜良は、いずれは死ぬ運命な訳ですが、実際の最後は・・・。そう来るか、と言う訳ですよ。「僕」が一か月立ち直れないのも、良く分かります。高校生くらいの男子にとって、スイパラで女子と待ち合わせるって、ねぇ。当然、好意は持っているわけですよ。それがね・・・。切ない。
そして、桜良を演じた浜辺美波が良い!桜良を演じるために出てきたような女優さんですね。これでまだ16歳だとは、末恐ろしい(笑)。一番いいのは、彼女の笑顔かな。その笑顔と、そして、桜良の「僕」との再会を楽しそうにして一瞬があるが故に、桜良の最後がより衝撃的に感じます。
あとね、ガム君。良いです。彼がいたから、「僕」は高校時代を乗り越えられたんだと言う事が、良く分かります。良い奴だよ、彼は。
プロダクションノートによれば、ほぼラストの「僕」が恭子に桜良の手紙を届けるシーン。これは、北川景子にとって、手紙の内容を初めて聞く一発勝負のシーンだったらしい。「なんでこのタイミングなのよ、バカ」は、アドリブだとのこと。
いやぁ、切ないな。思い出すと、泣きそうになるよ(笑)。
高校時代に死にそうだった友人はいませんが、実は私自身、「僕」が言われたのと同じ「自己完結型の人間」とか、「もっと人と話をした方が良い」とかは言われたことがあります。「僕」の感じている事、思っている事、考えていることが心情的に分かったので、余計にグッと来たのかもしれません。
[2017/08/12追記]
原作も読んてみました。わたし的には、原作よりも映画の方が好きですね。原作は、桜良が居なくなってから、どうやって物語の最後までもっていくのかを苦労した感じがアリアリ。一方映画の方は、時代が経っていると言う事もあり、よりスムーズに最後まで行っている感じです。