「これじゃあ、原作者も嫉妬するに違いない」君の膵臓をたべたい(2017) 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
これじゃあ、原作者も嫉妬するに違いない
【原作について】
前半までは、思春期特有のまどろっこしいイタさにイライラ感を覚えることもありましたが、読み進んでいくうちに、自分にも(主人公たちほどピュアではありませんが)そんな感性のカケラを少しは持ち合わせていた日々があったことが思い出され、後半はすっかり登場人物全員の応援団に回ってました。
思春期特有のピュアな一途さゆえの他人との距離感のズレや自分では気がつかなかった秘めた熱情の発露をどう表現するのか、映画がとても楽しみになりました。
というわけで、本日映画を鑑賞。
肝となる会話のいくつかはすべて、始めからここしかないよな、という自然な流れや場面で描かれており(例えば、偶然でも運命でもなく選択の結果〜、なんでもさん付けする女の子を好きになる理由が〜、といったあたりです)、脚本、ロケーションともかなり綿密に考え、造り込んでいったのが伝わってきました。そして何より、ガム君を含めた主要人物の5人が、原作のイメージを大事にしながらも、実在感のある演技で過剰な不自然さを感じさせることなく演じきっており、感服しました。
桜良さんの配役は、原作の文章だけ読むと、ややとってつけたようになりがちなセリフもこの笑顔でいわれたら違和感ないな、と思わせられるほどピッタリで、この世界の片隅に、のすずさんとのんさんに匹敵するほど素晴らしかったと思います。きっと、これも偶然ではなく、本人やスタッフの選択の結果なのでしょうね。
グレシャムの法則さん、コメントありがとうございます♪
おっしゃる通り、このレビューのタイトルは村上春樹の『ランゲルハンス島の午後』から拝借しております🙇
村上主義者としては新作も気になるところですが、なかなか腰が重くてまだ読めていません💦
また感想をお聞かせくださいませ♪
こちらにもコメントありがとうございました。お返事遅くなりましてすみません😭😭夏が大の苦手ですので、毎年、日傘にハンカチに扇風機を持たなければならないのですが、去年からそこにマスク(屋内ではしてます)も加わり、阿弥陀如来になりたい夏を過ごしております。夏休みがきたら、ちょこっと映画見てみようかなと思います🤗いつもありがとうございます。
コメントありがとうございます。
自分で選んだことにはそれなりの責任も伴うわけで、桜良ちゃんの言動がより一層深みのあるものに感じられるのです。
自分の周囲のものごとすべてに感謝の気持ちを持つ……これもまたとても素敵なことだと思います。
この作品に出会えたことに感謝するとともに、これまでの人生の選択の結果、この作品に出会えたということでもあるのですよね。
琥珀さん初めまして。レビューを読んで、同じ台詞がとても印象だったので、思わずコメントしました。
それは、『私と君のこれまで人生の選択があるから今がある…』ってところ👍とても素敵な言葉ですね。