「姉妹の運命をほのめかす冒頭がもったいない」プラネタリウム AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
姉妹の運命をほのめかす冒頭がもったいない
物語の大部分は、降霊術ショーでフランスに来ていた米国人姉妹が、プロデューサーに出会って映画作りにかかわっていく波瀾万丈の経緯を描く。ただし構成上は、冒頭でそうした時代を経験したあとの姉が、知人と遭遇して過去に言及し、そこから時間を遡って本筋がスタートするという、一種の回想形式になっている。この冒頭部分の会話とムードで、姉妹の行く末がわかってしまうのが個人的にはもったいないと思った。
長編3作目のフランス人女性監督レベッカ・ズロトヴスキは、美しい印象的な映像を得意とし、テーマ性よりは雰囲気先行という感じで、「フランスのソフィア・コッポラ」と呼ばれているのも分かる。
オカルト要素に期待をかけすぎると、肩透かしの気分を味わうかもしれない。どちらかというと、マイノリティーや異端者が味わう苦悩や疎外感に重点が置かれている気がする。
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