「自分にとって命を懸けてやる事って何なんだろうと問いかけてくる映画」MERU メルー Theo5さんの映画レビュー(感想・評価)
自分にとって命を懸けてやる事って何なんだろうと問いかけてくる映画
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山の映画が好きだ。
創作する必要のない、次に何が起こるか解らない展開。
ただただ画面を釘付けにさせてくれる圧倒的な景色。
人は何故こんな無益な事を命を懸けて臨むのだろうかと死生観を考えさせてくれる。
今作の映画ではまさに私の好きな山の映画の要素がふんだんに詰まっている。
どうしても事後報告なので、登山メンバーが元気そうな顔で過去の事を語っているドキュメンタリー形式になっているので先の展開が薄っすらと予見出来てしまうが、圧倒的な途中途中のドラマチックな展開が凄まじく、結末は解ってはいたけれどこんなに達成感を得れるのかと感動してしまった。
登山メンバーの一人のコンラッドの過去が語られるシーンでは相棒の死とその相棒の妻を自分のパートナーにして、子供を自分の養子にしたという話も、普通ならそれ倫理的にどうだろうとか、少し胸糞悪い話に思えるのだが、山という存在と登山家の生き様を考えれば、全くそう思えない所がとても感慨深いと思った。
ただ画面を見続けているだけで、ここまで達成感を一緒に感じられるというのが本当に良い所取りだけしていて、自分にとって命を懸けてやる事って何なんだろうと問いかけてくる映画。
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