ハバナ・ムーン ストーンズ・ライヴ・イン・キューバ2016のレビュー・感想・評価
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歴史的なロックンロールショウ
ストーンズLatina Oleツアー最終地、キューバ公演を撮ったドキュメンタリー作品。 全世界で公開なのですが、世界中たった一夜限りのプレミア上映。 しかも時差の関係もあり日本が世界最速上映、何だかこれだけでも胸が躍ります。 そんな気持ちの高ぶりが観客にもあるのでしょう。 監督やキャストが壇上に現れる試写会でもないのに、照明が落ちいざ映画が始まる時に会場から拍手が沸き起こったんです。 ちょっと驚きつつも高揚した気持ちでの始まりでした。 映画はインタビューやステージを組むところも描かれていて、ショウが始まるまでのドキドキした雰囲気がとても心地良いのです。 もともと社会主義国のキューバでは欧米のロックミュージックが禁止されており、アメリカとの国交が再開した直後に決められたというこのコンサート。 つまりキューバで初となるロックンロールショウなのです。 まだ始まってもいないのに集まった人の熱気がすごいんですよ。 フリーコンサートという事もありその数120万人、端が見えない人の海でした。 そんな興奮の中「Jumping Jack Flash」でスタート。 割れんばかりの歓声とはまさにこの事でしょう。 そして同時に踊り出すオーディエンス。 大きく揺れ動くその様は、うねりを持ちますます海の様相です。 みな顔を火照らしスィングしているのが見ていて実に気持ち良い。こっちまで嬉しくなります。 子供から大人そして老人までラテンならではの情熱的な熱をまとっており、皆の恍惚とした顔が本当に素晴らしいのです。 肩車するカップル、椅子に座っている老人、ステージを観るでなく輪になって踊る人たち、みな様々ですがとにかく楽しそう。(すっごい真顔の老婦人達もいましたw) スクリーン越しにその熱を感じとれるほどです。 この映画での一番のキモは、場の空気が手に届くような距離で感じられるところでしょう。 笑ったのが「STILL PISSED AT YOKO」のTシャツを着た客が映された時、わざわざ字幕「ヨーコにまだムカついてる」を入れてきた事でしょう。何というかウィットに富んでますね。 もちろんストーンズのメンバーも良く撮られていて、バックヤードから行き来する視点などはスタッフになったかのような贅沢な気分にさせてくれます。 そして数々のヒット曲で埋め尽くされたセットリストはあっという間に駆け抜け、ラストの「Satisfaction」で興奮のピークを迎えます。 ショウが終わった後もすぐ帰るでなく、壮大な祭りの余韻を楽しむかのように笑顔で話し込んでるんですね。 この会場にいるかのような空気感は、大きなスクリーンで観れたこともあるのでしょう。 チケット代は通常の映画と比べると割高ですが、チケット代を大きく上回る満足感でした。 そして上映開始と同じく、終了時も会場は拍手で溢れていましたよ。 最後まで胸の高鳴りが止まらない素晴らしい作品でした。
たった一夜
今年3月20日にキューバ初訪問したオバマが演説で「なんかこのあとストーンズが来るらしいね」とスピーチしてウケたとか。そのオバマ直後の25日のフリーライブです。 58台の大型トラックから運び込まれた機材、120万人の観客にもかかわらず「前列から2列目に可愛い娘がいたね」って冗談を言うミックとキースがお茶目。 世界中でライブを続け、やっとたどり着いたキューバ。ここまで50年もかかったんだと思うと感無量。 俺たち今でも前より上手くなってるんだぜ、とキースが胸を張るように各々の演奏もミックのボーカルもとても良い仕上がり。たった一夜だけのプレミア上映ですが見に行けてホントによかったです。
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