「継承して欲しい日本文化...駄菓子屋さん」ぼくと駄菓子のいえ スー(ジェーンじゃない方)さんの映画レビュー(感想・評価)
継承して欲しい日本文化...駄菓子屋さん
私は援助職をしていますが、当時は今ほど情報がなく、この仕事にたどり着く前に思い描いていたのは、「駄菓子屋」のようなコミュニティでした。つまり、子どもたちと“縦”でも“横”でもない、“斜め”の関係になれたら...という思いがありました。
映画に登場するおばちゃんや、その娘さんたちとの関わりは、かなり“縦”に近い“斜め”ではありましたが、愛情に満ちていて...家に居場所がなかった子どもたちがこの場所に通えたのは、まさに幸運だったと思います。大阪らしい笑いやツッコミのある、温かいコミュニティの雰囲気も、東京の私から見ればなんだか羨ましい気持ちになりました。
この駄菓子屋だけでなく、こうした素敵な文化そのものが、日本中にもっと継承されてほしい...そんな思いが湧きました。子ども食堂も似たようなコミュニティではありますが、親の同意なしに気軽に立ち寄れる場所かというと、やや敷居が高い印象があります(もちろん、運営のスタイルにもよると思いますが)。
欲を言えば、宅配便の仕事に就いた男の子が、どうやって立ち直っていったのか、もう少し描いてほしかったです。
静かな余韻が残る、良い作品でした。
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