「百合族とは薔薇族にから派生」ホワイトリリー いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
百合族とは薔薇族にから派生
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去年暮れから始まった一連の日活ロマンポルノリブートの最後を飾るのは、『リング』の中田監督。ロマンポルノを制作していた頃の日活で助監督として在籍していて、ある意味運命に導かれるようにロマンポルノを作ることとなった。
その作品が、いわゆるLGBTの世界。
ただ、何というか、昼メロにあるような世界観が漂い、プロットやストーリーはあまり新しさを感じられない。勿論、ロマンポルノに対する愛情は他の監督よりもあるだろうから、絡みのシーンは、どの作品よりも濃厚だ。舌使いや、粘膜の音、ステレオタイプのような筋肉隆々のマッチョとの荒々しい体位(※駅弁)等々、きちんと奇を衒わず、ロマンポルノとしての矜持を持って、濡れ場シーンを演出していた。観客をきちんと官能の世界に誘う、これがロマンポルノのセオリーだと思う。あまりにも作品制が強く、芸術性や社会性が濃すぎると、濡れ場との乖離が甚だしくなってしまい、必要性が感じられなくなる。そういう意味ではこれ位のお茶の間テレビでの安っぽいメロドラマで良かったのかもしれない。
陶芸の先生のフィアンセが亡くなる前と後との演技の切り替えが秀逸。慈母に満ちた佇まいと、性悪女のそれと、演技の幅を惚れ惚れする位、感じ取れた。
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