「もう少しキャラを掘り下げるべきかも」きみの声をとどけたい TARさんの映画レビュー(感想・評価)
もう少しキャラを掘り下げるべきかも
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全体的に退屈な印象を受ける映画だった。
前半のうちは、ストーリーの流れがわからないため、それなりに集中してみられる。しかし、主人公の友人たちがラジオ局に集まる場面でおおよそのプロットはわかってしまう。この時点で、ストーリーで魅せることは意図していないとわかる。
恐らく、この映画がもっとも売りにしたい部分はキャラクターの心情や関係性なのだと思う。それは、作品全体のテーマが言葉が持つ力(コトダマ)であり、ストーリーの柱が「紫音と母親」と「かえでと夕の関係性」である点から読み取れる。
だが、そのわりには登場人物の感情がほとんど伝わって来ない。主人公の優しさは祖母との会話のみに基づく薄弱なものだし、かえでが夕と仲直りできた理由も今一つ釈然としない。かえでが夕を嫌う理由は単純なやっかみではなかったのか。それが相手の苦労を知るだけでひっくり返るようには思えない。
全体を通してライトな雰囲気を醸しつつ展開するが、もう少し重みをつけてみても良かったのかもしれない。
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