「ギロチンには意味があるのだろうか?」小さな園の大きな奇跡 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
ギロチンには意味があるのだろうか?
リニューアル成った、新宿武蔵野館にて鑑賞。シートがふかふかで新車の匂い。
中国に返還されてからの香港映画は、ハリウッドで作りそうな、人気俳優が大活躍!的な作品が目立ち、あまり観たいものがなくて遠ざかっていた。
閉園の危機に瀕する幼稚園を立て直すため、薄給で園長を引き受けた女性と、子供たちとその親。
一つ一つの家族の事情は涙を誘うものがあり、園長が真摯に向き合う姿が描かれる。
しかし、涙の数だけ映画に引き込まれていくのかと言えば、そうはならなかった。
園長夫婦の葛藤が差し挟まれるが、余りにも大人な対応のできる夫のお陰で、彼女は突っ走るだけ。
甲状腺の手術のあと、夫が窓の外にギロチンの実物大模型を誇らしげに設置する。このシークエンスはギャグのつもりなのか、そのように笑いをとる意図はなかったのか。前後の脈絡の中で、これをどうとらえたらよいのか分からなかった。
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