「本物とは」ブレードランナー 2049 ヤナコさんの映画レビュー(感想・評価)
本物とは
映画公開時に映画館へ行っておけばよかったと後悔。
個人的には「しっかり続編だ」と感動。
サイバーパンクな街並。いつも鬱々とした酸性雨の雨や曇り空、ヴァンゲリスの思想を踏襲したBGMなど、世界観をしっかりと熟慮し再現をしてくれていると感じます。そして本作品は再現どころか、ロサンゼルス郊外、アナ博士の雪の降るラボ、核汚染されたラスベガスなど世界観を広げていて、説得力を感じる。
初見1回目の視聴だけでは、ちょっと理解仕切れない部分がある。それは「本物」という概念に関しての理解である。人間とレプリカント、AIガールフレンド(ジョイ役のアナ・デ・アルマスがとても美しくキュートで驚いた)、記憶、事実と情報・・・・あと2回程見ることで理解度が高まり、更には前作も見ることで総合的に楽しみ方が深まると思う。
ほぼ同じ時期に「トータルリコール」のリメイク版を見て肩透かしをくらったので、タイミング的に本作は「あぁ、しっかりと続編で素晴しいなぁ」と感動がより深まる。
SFで、派手なアクションが期待されがちだけど、このシリーズにとってアクションは二の次。「人間が人間たるや」という哲学の問いかけがメインなのだ。
デッカードがちゃんと登場してくれて、様々な業を背負い込んだ歳の重ね方をしているのも作品に重厚感と奥行きを広げてくれているし、K(ジョー)がレプリカントなのに同情と応援をしたくなる素晴しい設定と演技だと思いました。