劇場公開日 2017年10月27日

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「俺は本当に映画を見たのか?」ブレードランナー 2049 うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0俺は本当に映画を見たのか?

2023年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

同じ監督の「メッセージ」すごくよかった。

この映画も雰囲気が似ていて、効果音とも、音楽とも言えるような、電子的で、重荘な、圧倒的な重みのあるものが近くに「ある」ような錯覚におちいる音。

それと

静かに、フィックスした画面からゆっくりと動いていく画角に、とてつもない情報量のいろんなモノが混ざり合っている。

パパっとフラッシュしたかと思うと、誰かが銃で撃たれていたりする。すごく緻密な、計算されたアクションを綿密に準備して撮ったんだろうな。

あ、あと「記憶」がテーマになっているのも『メッセージ』と同じ。この監督、そういうお話が好きなんだね。きっと。

で、快適な眠りから目覚めてみると、映画がいつの間にか終わっているのも『メッセージ』と同じ。「はっ!寝てた」「あー、気分良かった」「なんか眠くなるんだよね」「退屈じゃないんだけど。むしろ、好きな部類の映画」

「いや、覚えてるぞ。あんな事。こんな事」詳しくは書けません。ネタバレなので。。。「果たして、俺はこの映画、見たと言えるのか」?

主人公のKは、自分の記憶が植え付けられたものなのか、本当に経験したものなのか、それが揺らぐことによって、大切な記憶が失われていく喪失感にさいなまれる。その恐怖感は、本当に共感できる。だって、今自分が感じている記憶の錯乱も、Kの焦りと同じものに違いないから。

『ブレードランナー』何回も見たはずなのに、実は一回もちゃんと見たことのない映画。今回はドゥニ・ヴィルヌーブという、映像職人によって見事に味付けされた彼の空間を体感できました。

包み込まれるような、映像体験に興味がある方はどうぞ。おすすめです。この映画に関しては、眠くなっても駄作じゃありませんので。

うそつきカモメ