劇場公開日 2017年3月4日

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「ドラえもん映画ってこんなに面白かったっけ!?」映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ドラえもん映画ってこんなに面白かったっけ!?

2017年5月1日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

最後に劇場でドラえもんを見たのは太陽王伝説。実に15年ぶりの、新ドラになってからは初めての映画ドラえもん。
ストーリーは昔見た通りのいつも通りの展開。のび太が駄々をこねてどこでもドアで秘境(今回は南極)へ行って、いつものメンツを誘って、謎ときをしているとトラブル?に巻き込まれて、どうにかする話。…なんだけど、いや面白い。

まあ、冒頭ののび太がリングを拾うまではいい。普通。そこからの話の持って行き方、展開の作り方がすばらしい。まずドラえもんが、のび太の拾ったリングが南極のどの辺から流れてきたものか説明するシーン。あれはとても良い知育番組の態をなしていた。
『真面目に聞いてはいるんだけど理解できない』『説明に違和感を覚えて実地で別の質問をする』役割をのび太に振って、なるべく難しい話をするも理解しなくても大丈夫だよ、というメッセージを伝えている。当方20代なので、あの説明はものすごくわかりやすいと感じたが、ターゲットである小学生には少し難しい気がする。でもいつか「それドラえもんで観た!」と感動してくれることがあるだろうと、そう思わせる構成であった。
次に道具を使いながら南極の目的地に向かうのだが、ここも知育が豊富でかつエンジニアをうならせる道具が出てくる。スマートフォンの爆発的な普及は操作の直観性、簡易性によるところが大きい。今回使った道具の、特になぜるとダウジングを開始する紐、笛の音によって挙動がかわる紐は(紐ばっかりだな…)そのアイデアを地で行くものであった。
なぜるだけでよい、というのは本当に素晴らしい発想だ。ユニバーサリティにあふれている。さらに素晴らしいのはダウジング後に、何が埋まっているのかを紐が絵に描いて表すという点だ。今の技術では精々タブレットのような電子デバイスを用いて、画面に埋まっているもののシルエットを示す程度だろう。それを、アナログチックに紐の画で表す、こういうのが技術革新というのだと非常に感激した。
笛の音によって挙動が変わるのも発想が面白い。洞くつ探検では使えそうにないが、メロディをセンシングして形状を変えるのはなんともすごい技術ではないか。あの道具の背景にどんな科学の大河ドラマがあったのか、心が躍る。

些末な点に感動してしまったが、残りもちゃんと面白い。デザインがいい。タイムトラベルSFの『お約束』をきちんと踏襲しているのもいい。そしてそれぞれが、ターゲットである小学生にわかるような速度で展開しているのがすごくいい。
あとしずかちゃんがかわいい。新ドラのしずかちゃんってあんなにかわいかったのね。

サブレ