「薄い。0」映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 石橋慎司さんの映画レビュー(感想・評価)
薄い。0
30年ぶりに映画館でドラえもんを見たけど、ドラえもんじゃ無くてもすごくつまらなかった。映画版ではTVとはちがうのび太、ジャイアン、スネ夫を見られるかと思っていたが完全に通常営業。勇気や侠気や優しさを魅せてくれないのなら映画にする価値が無い気がする。ヒロインや博士の行動原理もいまいちわからんし、完全に巨神兵でしかないし、守護者の変身能力の理由や目的などもわからない。大事なモノを守るために戦うとかいった理由が無いとなぜ危険を冒してまでそうしているのかが解らない。作り手側の自己完結の中で終わっているだけに見える。
ゲストヒロインがのび太を見ても別に驚きもしないし、故郷を救わなくてはと言った焦りも無い。他の星に探しに行っても良いみたいなこと言ってたけど、それならば10万年前の地球にいる理由は無いってことになる。
最悪なのが10万年前の姿が現在見えるのはいいけど、わかりやすく全体が緑化しているか、もっとごくわずかだけ緑化が始まっているかのどちらかが良かった気がする。1/3程度赤道付近のみ緑化されていると言う表現の意図がわからない。「すぐに回復を成し遂げた」のか「帰って回復を始めることが出来た」のかなんだかよくわからない。
それから10万光年離れているというが、そこまで一瞬でワープ移動可能な科学力があるのだろうか?さすがに10万年掛かったりはしないのだろうけど、(掛かったらそもそも地球に来れない)なんだか設定も説明も中途半端でいいかげん。
一緒に見に行った子供は自分が連れて行けとせがんだ手前文句は何も言っていなかったが、その後「面白かった」もなにも口にしなかった。つまりそういうことだ。
この映画は評価できない。