「分かってない」カーズ クロスロード natsukiさんの映画レビュー(感想・評価)
分かってない
別に、マックイーンが苦戦しながらも次世代レーサーに勝って、やっぱりマックイーンは凄いんだ、まだまだ現役、みんなに夢を与えるんだ、とか、そういうラストにして欲しかったわけではない。
自身がレーサーとしてではなく若い人材を育成していく、そういう決断に反対しているわけでもない。むしろドックハドソンの手紙のエピソードも入れてたわけだから、新しい夢や希望が素敵だと、その道を選ぶマックイーンも素晴らしいと思える。
ただどうしてもこの作品の監督なりプロデューサーなり脚本家なりが分かっていなかったのは、マックイーンは最後までレースを走る必要があったことだ。
1で自己中心的で一匹狼な若きレーサーから、出会いを通して成長し、(2は省きます)、今作の最初でベテランになった彼は周囲に優しく、敬意を持って楽しくレースをしていた。でもそこに次世代の車が現れ、どうにも勝てる見込みはない、周りはどんどん引退していく、自分もそうすべきなのか?でも走りたい、まだ走れるはず。そういった1からの成長と夢と歴史と捨てきれない希望がある彼が、最後にどういう決断をしようが勝敗がどうなろうが、最後まで一生懸命走り、マックイーンらしい走りをする。いろんな大切な車たちの想いも一緒に抱えながら。1から好きだったファンはそれが見たいのでは?マックイーンが自分でレーサーとしての人生にケジメをつける。それが見たい。
小さい子供のマックイーンのファンの子が精一杯応援してるのがチラッと映ってました。彼女が勝って喜んでましたけど、それも納得できない。自分が大ファンのレーサーがいて、逆境のなか頑張っている彼を応援していたのに途中で知らない車が走り出したら悲しすぎる。
やっぱり1だけを見続けることにします。