劇場公開日 2016年11月11日

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「安心・安全のトム品質」ジャック・リーチャー NEVER GO BACK ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0安心・安全のトム品質

2016年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

3部作やスピンオフ、さらにはコラボ企画といった、一見さんお断りのシリーズものが増える中、この作品は単純明快、勧善懲悪、そしてもちろん、前作未見の新人さんも大歓迎の一話完結の親切設計。この懐の広さは正に安心・安全のトム品質だ。

同じトム・クルーズの看板シリーズ「ミッション・インポッシブル」がハイテク機器&アイデアで敵を欺くのに対し、「ジャック・リーチャー」はローテク&出たとこ勝負で敵を討つ。同じアクション映画、同じトム・クルーズ主演でありながら、戦い方が真逆というのも面白い。ただ、欲を言えば、もっとドンパチが派手でもよかった。主人公・ジャックは元軍人の流れ者であってスパイじゃない。だから、追われる身であっても、こそこそする必要もない。故にもっと堂々ともっと派手なアクション演出があって良いと思うのだ。その結果、少し地味なアクション映画という後味しか残らない。

要はキャラの位置付けがどうも中途半端に思えるのだ。俺は強い!法に縛られない!けれども己の正義を貫く!この三拍子がこそジャックの魅力なのではないか?法に縛られないキャラだからこそ、荒唐無稽でありながらも、興奮必至の生身のアクションが見たいのだ!(とはいえ、エクスペンダブルズのように荒唐無稽すぎるのも難ありなので、アクションの匙加減は実に難しい…)

別に本作を否定するつもりは一切ない。むしろ、昨今はめっきり数が少なくなった正統派アクション映画として、このシリーズを応援したい気持ちが強い故に、苦言を呈しているのである。つまりは愛情の裏返しとして、このレビューを理解して頂きたい、という天邪鬼な筆者である。

Ao-aO