ミルピエ パリ・オペラ座に挑んだ男のレビュー・感想・評価
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『個性で踊るんだ。合わせるのが今までもオペラ座だった。 だから、白...
『個性で踊るんだ。合わせるのが今までもオペラ座だった。
だから、白人に統一された。しかし、僕はそうさせない。』と言った主旨。
彼は最後に彼女達の髪を上げさせた。
僕はずっと気になっていた。ハーフの女の子の額に仏様の白毫がありがたくある。
彼はそれをさり気なく強調させたような気がする。
MVっぽい映像。
バレエものは見られる限り見るマイルール遂行です。
秋のスタンダード感のあるパリ・オペドキュメンタリーも楽しみ。
背中に問題なしってゆう日本語が張り付いたパーカー着てるダンサーがいた。
新作の作曲者の人が可愛かった。こんにちはーのハグで相手の背中をわしゃわしゃわしゃって指で揉む(カリカリするともいう?)仕草に、私の萌えごごろがメラメラした。
いつものことだけどコンテンポラリー作品の見どころがまだわからない私…なので何の踊りかさっぱりわからん新作でした。
指揮者も可愛かった。
スタイリッシュな映像なので、撮り手のフィルター(主観といっても良い)が強くて、見たいものが見えにくかった気もする。
映画って銘打っている以上、作り手の主観を通してしか我々は味わえないのだけど、ドキュメンタリーなんだから物語るスタイルよりも、出来事の記録としての性格を、強めにして欲しかったなぁと思ったり。
伝統に対する革新者の挑戦な訳なんだけど、ミルピエさんの率直なパリ・オペラ座批判をがんがん打ち出しながらも、あれだけのバックステージ映像が入るってことはパリ・オペラ座は作品を容認しているわけで。苦い気持ちもあるんでしょうが、ふところ深いなあと思いました。
結局なんでミルピエは辞任したのか。しかも後任オーレリデュポンでしょ?パリオペ生え抜きの元プリマへの転換の理由をさあ。経緯知りたかったなーなんて。
まあでも楽しめました。
オペラ座の屋根でパソコンぱちぱちとかやって見たいよね。一生無理だけど。
伝統と異端と
オペラ座の芸術監督になった男の初公演までの40日間を追った話
バレーのいろはも知らない自分は、ベンジャミン・ミルピエがナタリーポートマンの夫だくらいしか知らなかった、本作は彼の現体制への不満、バレーにかける情熱はヒシヒシと伝わってくるドキュメンタリーでした。
ダンサーの発掘や伝統に縛られない発想、ダンサーへの気遣いなど、異端児と言われている割に優しくていい人って感じだった。
作品全体がお洒落。出てくるのは美男美女ばっかりだし、音楽はカッコいいし、ベンジャミンは爽やかだし、屋根の上でノートパソコンいじったり、ドキュメンタリーと言いつつも映画のような出来だった。
カメラ何台で撮ってるんだろうとか、編集点決めながら撮ってるんだなとか、本人たちは絶対カメラ意識しちゃうだろうなとか、余計な事を考えてしまった。
作品に集中できなかったのか、延々映される練習と裏方の奔走を上手に演出、編集していて密着感はあるものの、ドキュメンタリーとしての作品を意識しているような気がして現実味があまり無かったように感じた。
ストライキで講演が中止になったりするのが当たり前だということも初めて知れてた。
ストを起こすのは劇場スタッフな訳だが、ダンサー達は一生懸命練習してやっと来た晴れ舞台を台無しにされて平気なのだろうか。
ストが解決したとしても、彼らと同じ現場で仕事をするのに抵抗はないのだろうかなどと考えてしまったが、お国柄なら仕方ないのかも知れない。
作品を通してダンサー達の努力と舞台上の演技は素晴らしく思ったし、ミルピエがどんな人物なのかが知れてよかった。
個人的にはマネージャーの女性が馴れない仕事やスケジュール管理などをしていて時折見せる困った顔がとても可愛かった。
邦題のサブタイトルが「パリ・オペラ座に挑んだ男」とあるが、芸術監督なら誰もが挑むだろうし、苦労しない人なんていないと思う、ミルピエだけが特別だとは思えなかったので、前任者達の事も配慮してもらいたいタイトルだなと思った。
劇中セリフより
「喜びが無ければ、人生に何の意味がある?」
まずは自分が楽しむ事が第一
好きこそものの上手なれ、好きでやってる事なんだから楽しまないに越したことはない。
好きな事を好きなだけ出来るように成りたいと思った。
Releve ルルベ
原題は「Releve: Histoire d'une creation」。ルルベとはバレエ用語で背伸びをしてつま先立ちになった状態をいう。ピンと背筋を伸ばし、身体を引き上げる事こそがバレエの基本であり目的でもあるらしい。
ミルピエが手掛けた新作「クリア、ラウド、ブライト、フォワード」完成までの40日間を追ったドキュメンタリー。 結構スケジュール的には厳しかったようです。同時にロビンス、バランシンの作品が上演されていたようで、人気の振付家とはいえ観客の関心は他の作品だったのかもしれませんが。
残念ながら映像では、その作品の真価は全く分からないし、ミルピエが何故オペラ座の芸術監督の座を去ったのかも十分に描かれてはいません。ただ、オペラ座への批判めいたコメントやリハーサルでファストフード?を食べながらといった不遜な態度は責められてしかるべきだと思いました。
リハーサル風景とミルピエを延々追うだけなので少々退屈。最近エトワールに昇進したダンサーが含まれていたとはいえ個性的とは言い難い面々だったような。
今春の来日公演では、ミルピエの「ダフニスとクロエ」が上演されるらしいので期待したいと思います。
所謂「メイキング・ドキュメンタリー」
ベンジャミン・ミルピエはバレエダンサーや振付師としてよりも、「ブラック・スワン」の振付を担当し、主演女優と結婚したことで世界的に知られるようになった人物だと言っていいかもしれない。このドキュメンタリー映画はそんなミルピエがオペラ座の芸術監督に就任し、彼が振付を手掛けたプログラムが上演されるまでを追ったものになっている。
映画を見ると、ミルピエはとてもチャーミングで柔和な人のようで、ハンサム(イケメンとは言いたくない)な容姿も相まって、とても魅力的な人に映る。ダンサーに対しても決して怒号を上げるような振付や演出はせず、ただこだわる部分にはしっかりこだわる、というような、なんだかとても理想的な人のように見える。あるバレエプログラムが出来上がるまで、という意味のドキュメンタリーとして捉えれば至極まっとうで、取り立てて特徴は感じないが、その分安心して見ていられるような正統な作りのドキュメンタリーだった。最後に披露されるプレミアでのパフォーマンスは、その一部だけしか見られないとしても、その圧倒的な世界観と独創的な振付には容易に魅せられる部分がある。ただ、「それだけ」ということも出来て、大抵の舞台作品にはこういった準備期間の労力というのはあるのが当たり前で、ミルピエを通じて舞台裏をのぞいたことの意義、という意味合いでは若干弱いのではないかな?という感じ。この映画を見ても、ミルピエ本人のバレエに対する思いや振付に対する情熱やプレッシャーや目標や、そういったミルピエの内側に滾るものに関してはスクリーンには映されていなかったように感じた。
ドキュメンタリー映画の題材としてベンジャミン・ミルピエを扱うのであれば、このドキュメンタリーのその後を見る方が絶対に面白かったはず。ミルピエはこの映画の時制の4か月後に芸術監督を辞任している。その辞任までの経緯にはいろいろと悶着あったようで、この映画の中でオペラ座を批判するような発言があったことが問題視されたり、そもそも彼の独自性の高いやり方や、オペラ座の伝統をはみ出す異端児ぶりが、一部からは批判の的になることもあったと言う。だからこそ、ミルピエのバレエに対する思いというのが知りたいし、批判されながらも自己を貫き、しかし潰えて辞任するまでというのは非常に興味をそそられるところ。分かり易い「メイキング・ドキュメンタリー」みたいな映画よりもよっぽどドラマティックであり、ミルピエを通じてバレエを見つめることに意義があっただろうなぁ、と思いつつも、それは作られるはずもない映画の話。
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