マイ・ベスト・フレンドのレビュー・感想・評価
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私が死ぬ前に望む事は? 何も恐れない事。
私が死ぬ前に望む事は?
何も恐れない事。
なぜ?浮気をしなけりゃならないか?
どうしたら、そう言った心理になるか?
それらがわからない。この映画の画竜点睛を欠く部分。
ここまで自暴自棄になって、しかも元気なガン患者は存在しない。
デフォルメし過ぎ。
前半部分のリアルな演技が台無し。
演出家が70歳の初老の女性と知り、ストーリー展開が古い理由が分かった。やはり『嵐が丘』のヒースクリフを登場させて、血の繋がりを重んずる西洋人のDNAなんだろうなぁって思った。
新しそうで、古いお涙頂戴映画である。
僕は67歳になるが、40歳弱の女性の気持は分からない。だから、同じ女性であっても、
70歳の初老の女性が、30歳も年下の女性の気持ちが簡単にわかるわけない。しかも、それは『死への宣告』である。
つまり、この主人公の人物設定は、
70歳の初老の女性の気持ちなのだ。
人生をほぼまっとうした者にとっては死についてはそんなに怖いものでもない。痛い、苦しい、が怖いだけ。だからこそ『望む事は恐れない事』になる。
つまり、プロテスタントの英国であっても、『堕胎』についてどうかんがえるのかと言う感情だけが残った。
ごめんなさい🙇最初の評は1.5でした・・・
この手の内容は僕には無理でした・・・。前半は全く見てるのが苦痛。後半の新たな命によって救われるのだが、男の僕に共感はなかった。女性あるあるなのかもしれないが・・・。
親友の最後の時にかける言葉
ストーリーはおおよそ予測できるが、ミリーが乳がんの手術でキズを見てと言った時、親友のジェスは「わかった。じゃあ、ガーゼ変えるね」と笑顔で接したのだ。こんな時、なかなか笑顔になれるものではない。これぞ親友の振る舞い。
そしてミリーの癌が転移しホスピスに入っているのに、今度はジェスが出産で苦しい時、夫は石油の採掘に出稼ぎに行って家におらず1人で心細い時には逆にミリーを呼んでしまう。そして出産に立ち会うと死を前にしてるミリーは病院に母に車椅子を押してもらい、密かにホスピスを抜け出して駆けつける。お互い苦しいけど、笑っている。
そして、ジェスが出産を終え、ホスピスでミリーに付き添っている時、ミリーはもう人生最後の死の床で、苦しさでほとんど表情がなく半目を開けてるような状態の時、ジェスが言った言葉にかすかに笑顔が灯った。「大好きよ」と言ったのだ。苦しそうな顔を見て同情するのでなく、憐れむのでもなく、考えてできることではない。親友の自然な振る舞いというものを感じさせてもらった。
ホスピスに入る前にミリーが「白い雲のうえに天国があればなぁ、わたし天国に行けるかしら?」と呟くと、ジェスは「天国に入れるハードルが下がれば大丈夫じゃない!」
ここまで気を許せる友達がいたらいいなぁと思う反面、配偶者にいたらち...
ここまで気を許せる友達がいたらいいなぁと思う反面、配偶者にいたらちょっと嫌だなぁとも思う。
終わる命と始まる命の対比が胸にぐっとくるものがある。
ガンを理由に卑屈になったり不倫したりいい話だけでは終わらないけれどその辺かなり美化しがちな日本の映画よりはリアルなんじゃないかと思う。
家族の話
トワイライト1作目の監督作品という事で鑑賞。
(個人的にトワイライト1作目は映画としての出来がとても良いと思う)
それに以前友人から泣ける映画だとオススメされていた。なので友情モノ映画と思っていたが、また違った面から泣けてくるものがあった。
私が小学生3年生の時、母が胃癌で亡くなっている。
母もちょうどミリーと同じくらいの年で、姉弟2人は私より幼いが、私には兄がいたので状況は似ていると思った。
だから1番感情移入して泣いたシーンは、ミリーが娘に自分がいかに愛しているかを伝える所だった。(弟より?と聞く気持ちもとてもわかった)
その時娘は母を失いたくない一心で反発してしまうのだけど、その気持ちは痛い程分かった。幼心ではまだ生きているのに喪失を受け入れるのは難しいし、まだまだ母親の存在は必要だから。
でも今自分がミリーのように子を持てる程の年齢になって母親の気持ちが想像出来る。
遺される者たちへ自分が出来る事は、思いを伝え、愛を行動で示す、ただそれのみなのだと。
ミリーにとってジェスは友人というか、物心ついた頃から一緒に生きているならもう家族と思う。邦題はフレンドとついているから友情モノと思うかもだがこれは家族の話だなと勝手に思っている。
トニ・コレットとドリュー・バリモアのトップクラスの演技が光るが、脇を固める俳優陣の演技もとても良かった。(トワイライトでも演技が大袈裟じゃなく良い俳優の撮り方する監督だなと思っていた)
それに音楽のセンスも良い。ちょっと古臭いようでそうでもない、ちょいダサでメロディックな選曲がこういう映画にとても合ってる。
ミリーとジェスのファッション等の好みが正反対でもどちらもセンス良しの雰囲気でぶつかり合っていないというのも良い。これはデザイナーの力量か
泣くシーンは多めです。ティッシュを用意して観てください。
こんな友達ほしい・・・今さら遅いか。
ファーストキスも初体験も同じジェスとミリー。ミリー(コレット)は先に出来ちゃった婚で今では2人の子持ちだ。一方のジェス(バリモア)はジェイゴ(パディ・コンシダイン)との間に子供が出来ず悩んでいた。
ほとんど乳がんが見つかってからの話で、周りの温かい目で見守られているにもかかわらず、切除した後に夫キット(クーパー)がセックスしてくれないことに苛立ちを覚えて、バーの男と浮気してしまうミリー。「嵐が丘」に憧れる彼女はジェスも巻き込んでヨークシャーの荒れ地まで行って、冒険するのだった。ジェスはそこで妊娠したことを打ち明ける。
やがてがんは脳に転移して、余命を待つばかりとなったミリー。ジェスが出産間近だという時、病状が悪いにもかかわらず出産に立ち会ってくれるミリー。みんな死を覚悟する中でも、明るく立ち振る舞うところがいい。
めちゃくちゃ泣いた
女として2人の感情とか行動にとても共感しました。
今までずっと一緒にいた親友が突然ガンになって
どんどん衰弱していって先立たれてしまったらどんな気持ちか、想像を絶すると思います。
突然自分がガンになって、苦しくて女としての胸を切除してもまだ自分をむしばむガンで自分の余命をしって死を受け入れるミリーも、、、
とてつもない苦しみと悲しみと受け入れたくない現実
でもその中にある沢山の愛と優しさ
ミリーの自暴自棄になって浮気に走ってしまったのも
理解できます。夫に今の体でもただ愛して欲しかっただけ、でもキットのどうしていいか分からなかった気持ちもよく分かるし、皆誰も悪くない。ただただ悲しい。
それがめちゃくちゃリアルで痛かったです。
ガンもいつ自分がなるかもわからない。
いつだれが死ぬかもわからない。
親友と夫婦と親子、全部の愛を見た気がします。
邦題はベストフレンドだけど、
原題は「すでに君が恋しい」
確かに友情が主体だけど、2人をとりまく周りの人たちもとても重要で大きな存在な映画だったとおもいます。
最近親友とうまくいってなくて、それすら後回しにしてしまってたけどちゃんと私も向き合って仲直りしなきゃなあと思いました。
タクシーの運転手さんがいってた、悔いなく付き合ってっていうのは病気ありなし関係なく日頃から関わる人全てにそうしていきたいなあ〜て思います。
女同士の友情にはかなわない
子供の頃から、2人で沢山の時を重ねてきた女友達。
女同士の友情には、親や彼氏や夫とは違った深い絆がある。
辛い時、私もいつも高校時代からの親友に頼ってしまう。どんなに離れていても、会わなくても、話せば心落ち着くし、いつも助けられている。
そんなことを思い出させてくれる映画だった。
私もガンになったことがあるので、涙止まらない場面が多く、観るのも辛かったりしたけれど、その最期の時を迎えるまでの2人の深い友情に、もう涙が止まらなかった。
生きていて、苦しくて辛い時、家族や友達がいてくれて、本当に良かったと思う。それだけで、幸せだ。
こんな親友がいたら素敵
ミリーのように強く、ファンキーで、病気になっても逞しく生きている人。尊敬します。
ジェスのように言いたいこと、間違っていることはハッキリ言うけれど、そこには大きな愛があって。そんな人って素敵だな。
癌に侵されても強く闘い生き抜く人を描く作品には大概感動し、涙もするけれど、この作品はそれだけでない、ミリーとジェスの人間愛、友情に本当に感動した。
はっきり言って、私にはこんな親友いないかも。
でもこんなふたりになれるよう、今周りにいる親友を大切に心から想いたいと思った。
人はいつ何時、何が起こるかわからないから。
今を全力で生きて。
ミリーはもっと生きたかったし、あまりに短い人生で悔しいと思うけど、彼女は本当に全力で生き抜いて、沢山の人に影響を与えたすごい人だな。
余談だけど、ミリーの抗癌剤治療の説明。
子ども達にも隠さず、分かりやすく、傷つけないよう、そしてミリーらしくファンキーに。凄いなぁ。尊敬しかない。
人生は分からない
人生順風満帆とばかりにイケイケで来てたはずのミリーとマイペースで歩んできたジェス。人生は何が起こるか分からないと思うことが増えてくる年代の方は、共感できる作品なのではないでしょうか。
ミリーが乳癌になり、ワガママ放題になっていくところは、妙にリアリティがありました。アラフォーで乳癌になって、すぐに悟りを開くことなんて、出来ないと思います。苦しみや痛みや葛藤を経て、自分の運命を受け入れざるを得なくなる。
運命を受け入れたミリーは、精神的に強くなっていく様に感じました。ジェスの出産に立ち会ったシーンは、ジェスの母親の様にも見えます。ふたりの関係性が逆転し、ミリーがジェスを支えたのです。
同性、異性、姉妹みたい、幼馴染、腐れ縁、友人のあり方は人それぞれ。でも、お互いが一番弱気になった時に側にいて欲しい人が、私にとっての「マイベストフレンド」なのかもと、この作品を鑑賞して思いました。
マイ・ベスト・フレンド
きっとTSUTAYAの置き方からしても95%は女性が手に取る映画なんでしょう。自分は男なので男目線で気になる部分を1つ。嵐が丘であのバーテンダーとのいわゆるの不倫を是とするか否なのか?ここです。
ミリーは最愛なはずの旦那の心無いベッドの上での一言からレスに陥り女性としての自信も同時に失ってしまう。そのあたりを優しくフォローしたのが嵐が丘の元バーテンダーである。余命宣告以降、生きるとは?女性の幸せとは?このあたりを迷惑を振りまきながらの確認作業を行ったミリー。付き合わされたジェス。親友として何が許せて何がアウトなのか?ジェスは嵐が丘のバーテンダーは完全アウト。このガチ不倫SEXを、旦那と2人の子供が知ったらどんな気持ちになるのかなーなんて思う。自分が女だったら、死ぬ前に美しいと認めて貰えるイケメンとの一夜は女性として最も確認しておきたい重要事項で当然アリだとは思う。ビューティーを極めようとする女性は愛する亭主・子供をふっ飛ばしてでも女であることをを優先するんだーと思っていいんでしょうか?ミリーが特殊なんでしょうか?全編を通すハートウォームなヒューマンドラマの中に女の怖さを感じた深夜2時でした。
良い映画でした。
マイベストフレンド。
名前のその通りの映画でした。
一人一人の人間模様も感情も描かれていて、一人一人へ感情移入してしまいました。
本当に友達は大切だなぁって思いました。
立ち会い出産の時に、また昔のような写真が撮れたところも感動でした。
娘さんが本の人の顔に落書きをしたシーンで、同じくらいの親友になれる人がいるって示した終わり方がすごく素敵でした。
死んでしまったのはすごくかなしいですが、悲しくもあり、感動的で涙が出てしまいましたが、良い映画でした。
ミリーの気まぐれに振り回されるな
映画「マイ・ベスト・フレンド」
(キャサリン・ハードウィック監督)から。
「乳がんが見つかったミリー」と「やっと子宝に恵まれたジェス」
この女性同士の友情ってよくわからないな、が観賞後の感想。
「長年つき合ってきた友達」の大切さを否定するわけではないが、
男の視点でこの映画観ると、感動するところがなかった。
突然、ガンが発見されて辛いのはわかるけれど、
それを理由に、浮気をしたり、ワガママし放題の行動には、
映画とわかっていても、納得いくものではなかったから。
「気付いてる? 私はガンなの」と悲劇のヒロイン的な発言に、
「気付いてる? あんたは横柄なガン患者よ。
周りの人が気を遣ってワガママを聞いているのに、
10代みたいに暴走して、もう巻き込まないで・・」と、
ジェスは一度はミリーを突き放すけれど、
彼女の「反省してるの」のワンフレーズで仲直りする。
そんな様子を見ていた、ジェスの夫の口にする嘆きに頷いた。
「彼女は大事なときに割り込むテレパシーか?」
「ミリーの気まぐれに振り回されるな」などなど。
どうしても素直に感動できない私は、やはり冷めているのかも、
邦題の「マイ・ベスト・フレンド」に振り回されたかな。(汗)
(原題「Miss You Already」)
泣ける
ジェスに子供が生まれる。
その後、ミリーはジェスに看取られて最期の時を迎える。
二人は最後まで親友だった。
ミリーは夫の再婚を望んだがその第一候補は親友のミリーだったがそんなことはありえない。
その後、ジェスは二人目を妊娠する。
どんな時もどんな時も。
日本でも乳がんの早期発見が叫ばれている最中とあって、まさに
女性にとってはドンピシャな作品。そこに少女時代からの友情を
絡めて涙と笑いの物語に仕上げている。トニ&ドリューの共演も
板についており今作で親友になったという息もピッタリ。もしも
友人が末期の病に侵されたら自分はどうするだろうか、と色々考
えさせられてしまった。親友といっても家族ではないので入り込
めるラインは限られているし、また友人関係ほど脆いものはない
のでふとしたことで絶縁状態にもなる。デリケートな問題を抱え
た相手を果たしてどこまで支えることができるだろう。言葉でも
態度でも行動でもあらゆる制限を超えて、今作の二人は奮闘する。
不甲斐ない男達(というよりこういう時に男って弱いものだから)
を尻目に彼女達が片や出産、片や終活に挑んでいく姿は逞しい分
痛々しくもある。その姿をしっかり描くことによって、あぁ人間
って一人じゃ生きられないんだよね、やっぱりと身につまされた。
どんな時も支え合える相手は夫婦でも家族でも友人でも共通する。
(トニの母役でJ・ビセットが登場。72歳とは思えない美しさ健在)
もっと一緒にいたかった、、、。
原題の「MISS YOU ALREADY」を訳すとこの様な内容らしいです。
邦題の「マイ・ベスト・フレンド」は今までの色々な作品とタイトルがかぶっててそれだけで観る前から色々なイメージがよぎりますね。
「マイフレンド・フォーエバー」とかベッドミドラーの「フォーエバー・フレンズ」とか、どれも素晴らしい作品なんですけどね。
今作も同じく親友モノでありきたりなガンを扱った作品。
しかし、ガンと向き合った作品でもありました。
まずミリー(トニ・コレット)とジェス(ドリュー・バリモア)の2人が主役なんですが、性格が正反対でイケイケで派手な感じのミリーと常識がありおとなしめなジェス。
しかしながら幼少期の頃から細かくは描かれていませんが、非常に仲よしで息のあった2人。同時にファックをしているシーンなんかは本当に仲良いなwとニタニタしていました。
小さい頃から死ぬまで一緒と言うのは簡単な事では無く、人生の中で何度も近づいたり、離れたりしながら繋がっているっていうのは本当にある意味うらやましい限りです。
細かい内容は伏せますが、お互いが本当に相手を想いやり(特にジェスが)ガーゼを貼ってあげるシーンの優しい笑顔は本当に想っていないと到底できる顔ではないでしょう。
タクシーで丘に向かうシーンも良かったなー、歌はちょっと知らない歌だけど若い頃の勢いというか、ガンになってしまっている勢いというか。タクシーのおっちゃんも良しw
ラストも出産のシーンからゆっくりじっくりとお別れで、悲しみを引きずらない感じが良かった。
死ぬときに大切な人が近くにいるっていうのはこれほど幸福な事はないんだな、って感じた。
それで邦題ですよ、やっぱり「ベスト・マイ・フレンド」より「MISS YOU ALREADY(もっと一緒にいたかった)」でしょうw
もっと英語力があれば、エンドロールでオンオン泣いていたのにwww
そして、別に平原綾香が悪い訳じゃないけど途中から日本語で歌が挿入されて余韻がぶち壊し。
本当に最近は邦題とか日本語吹き替えもだけど、日本に寄せてこなくていいの!
バカじゃないの?
素晴らしかった
ミリーの顔が刺々しくて怖い。長年つれそっていながらセックスレスにならないだんなさんが立派過ぎる。
過酷な状況にあっても冗談をたやさない感じがすごくいい。毒っけのあるユーモアがとても面白い。
自分には本当に友達がいない。その折々で仲良くなった友達もいつしか疎遠になり、今では誰もいない。時々用がある時に話す顔見知りがいる程度だ。なんでも話せる友達がいたらいいなあと思うのだが何でも話したら嫌われてしまう。ミリーとジェスがうらやましかった。
『嵐が丘』は大学生の時に読んでほぼ覚えていないのでその引用のような場面があったが意味が分からなかった。面白かったので読み返してみたい気持ちがあるにはあるが、なにしろ長いのでためらってしまう。
二人の友情がいいな
無料券をいただいて急遽観に行くことに。
女性による女性のための映画でした。
癌患者本人の辛さはもちろんだけど、家族の苦悩も痛いほど伝わってきました。
自分だったり自分の家族だったりを想像するとしんどい。
でも最期あんな風に迎えられたら幸せなのかもしれない。
なくなっていく命と新しい命。
テンポよく暗くなりすぎない展開だけど、女として考えさせられるリアルでいい映画でした。
人生讃歌の映画
ガン闘病と、その周囲の人たちの愛に溢れた物語。
重い内容だけれども、全体的にコメディタッチで明るく、見終わった後に、人生と家族、友達を精一杯愛したいという気持ちにさせられる。
主人公はガンで死んでしまったけど、こんなに幸せな人生ってあるかな?と思うくらい素晴らしい人生だったと思う。
主人公の乳癌闘病と親友の不妊治療、そして出産。
女ならではの幸せと苦痛が生々しくも愛しい。苦しみでさえ、大切な人と支えあうことで、次の瞬間には目映いばかりの輝きを放っている。
トニ・コレットの名演。女同士の友情物語。
乳がんと闘う女性を描く映画と聞くと、あまりにも感傷的な泣かせに走るのではないか?という恐れと、逆に、癌を言い訳にやりたい放題するだけの映画ではないか?という不安が脳裏をよぎる。この「マイ・ベスト・フレンド」は辛うじて、そのどちらにも傾き過ぎないところを綱渡りする。が、若干後者の方のニオイはある。病気を盾にやりたい放題し、それを責められると今度は病気を武器にするような、そんな要素が見えないわけでもない。2人の主人公はそれぞれ病気と妊娠を武器に、夫に当たっているとしか見えないシーンが数々あり、なんだか見ていてその都度、男の人ばかり責められていて気の毒だ、と夫役のドミニク・クーパーたちに同情してしまいたくなった。
とは言え、がんという病気の持つイメージの深刻さから、フィクションだと必要以上に病状を重く描きがちだったりする中で、この映画はよりリアルに近い形でがん治療を描こうとされており、人々ががんに対して抱くちょっとした誤解をさりげなく解いている感じは非常に好感が持てた。
この映画が涙で湿っぽくなりすぎないのは、乳がんに侵されていく女性を演じたトニ・コレットの演技に、生命のダイナミックさとユーモアがふんだんに取り込まれていたからだと思う。もともとドラマティックな役も喜劇センスも両方兼ね備えた大好きな女優さんだが、この作品の役への入り込み方が素晴らしく、たった1本の映画の中だけで女性の人生のあらゆる様子を見事にスケッチして体現して見せる。女優冥利に尽きるような役柄であったその分、誰にでもできる役柄ではなかっただけに、トニ・コレットがまったく肩ひじ張らずにそれをやり切ったのが清々しくさえあった。もちろん、親友のドリュー・バリモアの温かみと親しみのある存在感と演技も本当に素晴らしかった。
先ほど、「男の人ばかり責められて―」という書き方をしたけれど、かと言ってこの映画を全くの女性本位という風には感じなかった。むしろ、この映画に登場する男性は、女性に寄り添える理解力を持った男性のように見えて、それぞれに病気と不妊で苦しんでいる妻を持つ夫としての苦悩がちゃんと透けて見える描かれ方をしていたのは良かった。それぞれが、病と不妊治療を理由にセックスレスになってしまった時に、「だったら俺たちが結ばれれば済むんじゃない?」なんてジョークを言って笑ってくれるその懐を感じられたところに、なにか彼らの愛情深さが象徴されていたなぁという気がした。まぁ、それ全体をして「男にばかり理解を求める女性本位の幻想」を否定はしないのですが。
実際には私ががんに侵された経験がなく、ただ身近にがんと闘った人物が数人いるため、こういう作品ではついついドリュー・バリモアやドミニク・クーパーの方の立場の気持ちをより理解してしまいます。「あなたはいずれ死ぬから好き放題したいかもしれないけど、あなたがいなくなった後も私たちは何十年も生きなければならない!」という、絶対に口にしてはならない苦しみのことを思い出し、トニ・コレットが自由を気取る度にとてももどかしく、辛く、やりきれなかった。
最後に、バリモアの不妊→妊娠は、予告編では「なるほど」と思ったものの、本編を見るとさほど効果的に機能してはいなかったかな?という気もした。
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