「親であることの重責」幼な子われらに生まれ molaさんの映画レビュー(感想・評価)
親であることの重責
クリックして本文を読む
子供を持つ人であれば、親であることの重責を感じることは何度となくあるはず。
健やかに育ってくれるか、辛い目に遭ったりしないか、将来ちゃんと食っていけるか、そのために自分に何ができるか思い悩むこともあるだろう。
この作品に登場する二人の男親は、まったく違うようでどこか似ている。
よき父親であろうと責任感を持って振る舞っているがどこかぎこちなく空回りする男と、親の重責を負うことができない自分に絶望してそこから逃げ出した男。どちらも、何かちょっとしたきっかけで愛情表現をちゃんと伝えられそうなのに・・・という辺りをフラフラしている。
誰しも、自分は親として完璧だとまでは思ってはいないだろう。だからこそ、親としての在り方にもがくこの二人の男の姿を観て心が痛み、モヤモヤとしたものが残るのだと思う。
また、自分のキャリアを阻害することになるので子供を産みたくないと言う女性も登場するが、これも重い。
苦渋の選択をして、それが本当に正しかったのか悩み続けている人は多いであろうし、そもそも女性ばかりが何故その選択を迫られるのかという話にもなってくる。これを解決するにはまだまだ時間がかかるだろうが、少なくとも今できることは、夫が妻の思いをちゃんと理解してあげられるかどうかだ。本作では、これもひとつのキーとなっている。
親の在り方、夫婦の在り方、そんなことを少し立ち止まって考える機会を与えてくれた本作に感謝したい。
コメントする