五島のトラさんのレビュー・感想・評価
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最後まで観て
最初はトラさんがムカついた。
高校卒業した長男を定置網漁船に乗せ、島から離れさせず家業の手伝いもさせること。
子どもを朝5時から順番に起こし、うどん造りを手伝わせること。
幼い子が自分が目を離した間に機械に手を挟まれ怪我をして親戚に非難されたときのムキになってる反論の様子など、
言動も、いわゆる器がデカい人のそれではないと思った。
トラさんに反抗してる次女はなえ、がんばれー!って思って観てた。
最期、入院してるベッドの上でのインタビューで、末っ子世文がいちばんかわいい(だったか、気になる的なこと。正確な言葉は覚えていない)って言ってて、長男かわいそうになった。
留学したり、長野でバーテンしたり、長野で出会った人と結婚したと言ってたから「長男」を理由に島に縛った気がして、それなのに、長男に感謝とかじゃなく、末っ子かい…って。
下の子ほど、海外に留学したり家を出て進学したりしたのに、長男は自分で貯めて留学と言ってたし。
まあ長男も、とったばかりの魚が食べれるのがこの仕事のいいところと言ってたから、自分の意志で島に戻ったのかもしれないが。
でも、どんな親でも子にとっては唯一無二の存在で。
トラさん亡き後、奥さんが「辛かったことよりも楽しい思い出がたくさんあって」と言ってたから、労働に追われる日々ではあっても、満たされるものがちゃんとあったのだと思う。
4年ぶりに戻ったはなえが挨拶にこなかった彼氏と別れたことにグズグズ言ってるトラさんに、もういいじゃないかと一言言う奥さん良かった。
たぶん、長男や長女など歳上の子どもであっても、ああいう場面でトラさんを諌めるようなことは言えない家な気がしたから。
でも、ちゃんとつながっている家族だなと思った。
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