ねむれ思い子　空のしとねにのレビュー・感想・評価

死んだ人間は死んだから何も思わないと言うような評価は、非常に表面的な、唯物史観に基づくものであって、本作の表現するのもを正しく認識していません。
細部の細かな整合性よりも、ただひとえに母性愛と言うものを表している作品であって、本作への評価もそのようにするべきです。
結末としては、空に眠るのは主人公ではなくヒロインの母親の方なので、眠れ想い子と言うのは作者から母親に対しての言葉なのかも知れない。1度見たら忘れられない名作。

死んだ者が生きている者に対して募る思い？
そんなのない。ありえない。どうして？
実体験で申せば、
母の墓参りに行っても、何も答えてくれ
ない。死んだ人間は何も考えていない。生きているから考える。そうでなければ、生きている意味がない。
人の思いをデータと解釈する事自体に、ロマンが無いと思う。何か、古臭い。
手書き風に努力したのだろうが、残念ながらありきたりのCG動画の感は否めない。

全てひとりでフルCGアニメを作った事は褒めたいが、個性あるキャラクター（漫画やアニメよりのキャラクター）では無い為、暖かみは薄い。

さて、物語なのだが、女性の赤ん坊を産んだ夫婦は帰り道、車で交通事故に会い死んでしまう。
19年後、奇跡的に生きていた赤ん坊だった少女は何故か宇宙ステーションに連れて行かれ、死んだはずの母親に遭遇する。

舞台設定や母親の存在理由、言いたい事は分かり中々面白かったですよ。

しかし、やはり個人的作品。時間も短くも残念。
もう少し、協力も仰ぎ資金も調達してハリウッド辺りで実写リメイクしてくれないかなw