アルビノの木のレビュー・感想・評価
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神とあがめる鹿を撃てるのか?
主人公が
町の風評被害を恐れ
村人が神とあがめる白鹿を撃ってほしいと
頼まれる
主人公が森に入っていくと
その山の風景に魅了される
緑に囲まれて暮らしていれば
不思議な力や神が宿っていると考えせざるを
えないなと私は思いました
自然と暮らすことにより人は山に感謝をし
暮らしはこの山のおかげだと思い
日々過ごしているのだろうと思う
私は今 自然と離れて暮らしているので
地球への感謝の気持ちは薄れていく
主人公は白鹿さまなんて迷信だと言ってのけるが
村人たちには大切な存在なのだ
どちらがいい悪いとは言えないが
自然のことを 考えさせられる作品だ
この作品は主人公ともう一人鍵となる女性が
出てくるのだが
ラストの女性の微笑みが
したたかで、恐ろしいと思った
白鹿様を、あなたは何に見立てますか?
初日、舞台挨拶あり。
とにかく、日本の自然の吸い込まれるような美しさにはため息がでる。
映像にこだわりを持つ監督の誠実さ、真摯さが、全体に伝わってきた。
出てきた人間たちに感じた妙な感覚は「ズレ」とでも言おうか。
たとえば主人公ユクは、会話のテンポが微妙に遅れる。それを「間」とみるか、演技の拙さとみるか。もし、ユクの躊躇や悩みを表現するためにあえてそうしているのならすごい。
同僚イマモリは、むしろこっちのほうが報酬になびいてヤバい仕事さえも請け負いそうな雰囲気を醸しながら、肝心なところではしっかりと理性が働く。それゆえに、ユクが言い訳がましく、金のためにしょうがないと自分に言い聞かせる姿が際立っていた。
役場職員の子の、なにかに冷めている態度が気になっていたが、何もなし。ナギとは従妹なはずなのにそれもなし。ユクはナギに、いつ器のことを言うのだろう?ということさえもなかった。
もしそれさえもが計算された焦らしだとすれば、すっきりとしないまま終わってしまった僕には、好効果だったといえるのだが。
希少種アルビノは、自然界に限らず、人間にも存在する。確立的に2万分の1らしい。そんなマイノリティを選ばれし「神」と崇めるか、醜い「奇形」とみて蔑むか。見方次第で、同じものに対する捉え方が変わるのだとつくづく思う。
ただ、期待した人間の傲慢さは不足。はじめからそのつもりはないと言われればそれまでだが、森の神様「白鹿様」はあっけなく撃たれるし(それも自然の脆さだと言えばそうだが)、神様を撃つユクの苦悩もないし(それもそんな敬う心がないと言えばそれまでで)、ヨウスケの怒りも物足りない(それが人間の無力さと言えばまあそうで)。
僕としては、白鹿様を付け狙うユクが、いつしか駆除の理由に迷い、森のなかで幻想に惑わされていくのではないかという危うさを期待していた。もしくは、どこか「もののけ姫」の世界感に似たものを予想していた。つまり、「生けるパンドラの箱」のような存在の白鹿様を期待していたのだ。
全体に、ゆるぎなき美しき自然と、揺らぎ惑う人間との対比。
最後、結局ユクは利用されただけなのか?
あの最後に現れたものは、過ちは繰り返すのだと言いたいのか?
そんな余韻で幕を閉じるのは、ずるい。(上手いと言い換えてもいいが)
ところで、アルビノの木って、なんの木のことだったの?
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