「余韻が残る、、」忍びの国 miiさんの映画レビュー(感想・評価)
余韻が残る、、
人生初。映画館に複数回、通った。
原作がすごく好きで何度も読んでいただけに、主人公の忍者の独特の雰囲気や、忍者特有の殺陣などはまず再現できないだろうとタカをくくっていて。
予告もなんか、微妙だし、、アイドルさんだし、と、あまり期待せずに観に行く。
、、が!!
1度目。
観終わり、家に着いても、次の日まで余韻でもやもやと、なんか気になる、考える。
終わるまでとにかく圧倒されっぱなしで
大事なところを見逃していたような、、
2日後、2回目。
色々確認したい。
少し冷静になり、主人公の目と声の演技力、キャスト全員の絶妙なハマリ感、息を飲むような殺陣などに感動しつつも、所々でクスッと笑うところあり、緊迫感で手を握りしめていたりと、またもやあっという間に終わっている。
落ち着くシーンがない。全部大事。
なにこれ面白い、、!!
1週間後、3回目。
さすがにストーリーは分かっているので、、心に余裕がある状態で、ポップコーン片手に鑑賞、、
この回で突然、この映画の深い物哀しさが伝わる。ポップなシーンとか入れてるけど、、全員悲しい物語じゃん、これ。と、ようやく気づく。
それが分かった前提で観ると、はじめからの1つ1つの台詞の意味、主人公の変化していく理由、所々の笑いを誘うシーンの全てが心に刺さってきて、途中から涙が出てくる。
えー、3回目なのに?と自分につっこみつつ、止められない。
ラストは、メインの2人の超悲しい愛。
エンディングソングの意味すら変わって、
最後まで聴き終えると、悲しかった物語の雰囲気から、爽やかに前を向ける感覚に。
この映画、鑑賞しているほとんどの皆様が、エンディングソングが終わるまで誰も席を立たれない理由はそこなのかも、、
あ、ポップコーン、手をつけてない、、
原作を知っている自分からすると、削られているシーンが多いような感じで。
だからといって、物足りないとはまったく感じさせない完成度がすごい。
あえて短めにまとめたのは、本当に本当に、大事な要素のみをぎゅーーっと詰めこんだからかなと。。
老若男女、時代物に詳しくない人にも、
忍者を知らない人にも楽しんでもらいたい、
かつ現代人への大事なメッセージがブレずに伝わりますように、夏休みの子供たちにも楽しんでもらえますように、、
という、監督さんの愛と願いが込められているような気がする。
作り手と演者の愛情を感じる、この映画。
それにやられて、、その愛情を求めて?
足繁く通う、、
以前、宣伝かなにかで監督さんが
"何回も観て欲しい"
とおっしゃっていたのは、これか!と。
監督自ら1度では伝わりきらないとわかっていての、敢えて説明感のない台詞や、1つのムダもないストーリー。
全てがラストの主人公の叫びに向かって凝縮されていて、それでちゃんと伝わると分かっていたんですね、、
凄いのがその叫び。
耳から離れないって、あんな声聞いたら。
この映画で際立ってた、主人公の大野さんの演技力と身体能力、声、所作の美しさ。
ファンの方からしてみれば、今更なのかな、凄い人発見。
映画館で観るやつです、この映画。
DVDであのラストの感じが伝わるとは、
到底思えない。
上映されている間に出会えて良かったと、心から思います。
miiさん、まさにその通りです!すっごい余韻でした。ムダな遊びのシーンが1カットすらないんです。どのシーンでもそういうことか!と、毎回初見みたいになり、また観たくなるんです。
語彙力豊かなコメント、すばらしいです!
うさこさん
ご丁寧なコメント、嬉しいです。
こちらこそありがとうございます。
実は私も、この映画のレビューを書きたくてIDを取りました。
上映されているうちに、私ももう一度観に行こうと思っています。
はじめまして。
コメントをしたくて、IDを取りました。
まるで私の気持ちを代弁してもらったような的確なレビューで、
読んでいてとても共感しました。
実は。
私は大野智さんを9年前から応援している者です。
原作を読んで、この映画に挑みました。
泣いた!感動した!とのレビューが多い中、
実は…私は泣けなかったんです。
6回目で、やっと?気がつくとオイオイ泣いてました。
待ちきれなくて、原作を読んで、
その原作にオイオイ泣いて。
それはそれは、待ちに待っていたんです。
それなのに。
私は5回目までまったく泣けなかったんです。
自分なりにいろいろ考えてみました。
でも、どの答えも当たっているようで、ピンと来ない。
ありがとうございます。
このレビューを読んで、やっと自分の気持ちが分かったように思えます。
もう少しで終わってしまう予感。
何度でも見たいので、
やってるうちは、許す限り何度でも映画館に通うつもりです。
本当にありがとうございました。