「本編は、原作の&予告映像の何十倍も面白かった!」忍びの国 むーみんさんの映画レビュー(感想・評価)
本編は、原作の&予告映像の何十倍も面白かった!
「忍びの国」は、原作者和田竜の代表作「のぼうの城」と「村上海賊の娘」に比べると、全くといっていいほど認知度の低い作品。
最初”構想8年で映像化”の報を聞いた時は、大野智×中村義洋の豪華タッグが、なんと欲のない(興収的に)地味な原作をやるのかと、意外に思ったものだった。
だが、実際に映画を見て、まずは快哉を叫び、中村監督に感謝!!
監督は、”忍者vs侍”という構図自体の、素材としての面白さ、可能性に、確固とした自信を持っていたのだなぁと納得がいった。
スタントを用意したものの、ほとんど全て本人達が演れてしまったという、大野智vs兄、鈴木亮平、vs弟、満島真之介のアクションも、極上の出来!!
作者自身が脚本を担当しているということで、恐らく苦労も多かったと推測されるが、原作の冗長な部分が上手く削られ、雑だった人物造形も深められ(特にお国と無門夫婦)2時間の中に、とてもシンプルに様々なワクワクを詰め込むことに成功している。
初回観た時、「あぁ…これは減点。いくらなんでも遊びすぎだろ。やめてくれぇ…」と思った中盤のポップ過ぎる戦闘アクションシーンでさえ、「オーシャンズ11シリーズ」をイメージしたという音楽が絶妙で、なぜかその部分がまた見たくなり、再度映画館へ足を運んでしまうという不思議な感覚…。
アイドルが主演とは思えないくらい泥臭いヨゴシの掛かった画面(えづら)で、ヒューマンドラマもしっかり描いてあるのに、とてもスタイリッシュで、テンポよくて心地よい…。
「アヒルと鴨のコインロッカー」で衝撃を受けた中村監督のサービス精神旺盛な”術”に、気持ちよく嵌ってしまった私は、昨夜3度目、観に行かせていただきました。
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