ラスト・ボディガードのレビュー・感想・評価
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アフガン帰還兵の嘆き
依頼人を守れと言われても敵は一向に襲ってこない、アクションシーンは全て足しても5分くらい、しかもどういう訳か敵は銃を一発も撃ってこない、撃つのは主人公だけ。犯人の狙いも判らないが何故か警察も当てにならない、全てが曖昧なまま幕切れ。ポスターは詐欺ですね。
では、どんな映画かというとPTSDに悩むアフガン帰りの軍人のある種任務への誠実さを淡々と描くと言うノワール調の社会派風ヒューマンドラマ、帰還兵にご理解をということでしょうか・・。
「タクシー・ドライバー」や「ディア・ハンター」、「ランボー」など一時はベトナム帰還兵のPTSDを扱った映画が多く作られた、そりゃー地獄を見れば人も変わるでしょう、それが現代では中東戦争なのでしょう。
残虐性の沁みついた主人公が既に意識のない敵を執拗にいたぶるシーンは象徴的。珍しく色恋沙汰は乏しい映画、最後はロマンス風の抱擁で終わるのだが、自分や子供を守ってくれた感謝の気持ちだけかも知れません。
プロットは思わせぶりばかりで拍子抜け、では人間を描けているかと言うと表情のアップ多用で深みが無い、犬や子供を絡めたものの見せ場もなく、主人公の一人称ドラマのような描き方は映画と言うより小説向きなのかもしれません。
なかなかお目にかかれないレベルのスカ
心身を病んで除隊させられた元軍人のヴァンサンは、友人の紹介である実業家の邸宅警備のバイトにありつく。出張中の数日間実業家の妻ジェシーと息子アリの身辺警護を任されたヴァンサンは身辺に不審な気配があることに気付くがジェシーは取り合わない。外出先の駐車場で何者かに襲撃され間一髪のところでジェシーとアリを救ったヴァンサンは何か大きな影が彼らを狙っていることを確信する。
正直これはなかなかのスカ。ビックリするくらい何も起こらない。それでは映画にならないので一応何か起こりはしますが、こちらの期待を遥かに下回る展開。出来の悪いフレンチアクションは敵の描写が雑過ぎて大量の敵が蟻のようにワラワラ出てきては死んでいくものですが、これはヤブ蚊がせいぜい数匹飛んでるレベル。いやいやさすがにもう少し話転がるでしょうと期待が残る中で訪れるエンディング、ちょっとにわかには信じられない中途半端さに暫し呆然としました。
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