「ステイサムのアサシン・ミッション」メカニック ワールドミッション bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
ステイサムのアサシン・ミッション
1972年にチャールズ・ブロンソンが演じた、同名作品のリメイク版の第2弾。ジェイソン・ステイサムが孤高の暗殺者・ビショップを演じ、タイトル通りブラジル、タイ、マレーシア、オーストラリア、そしてブルガリアと、ワールド・ワイドなロケ地で、派手なアクションを繰り広げる。
本シリーズは、ストーリーが単純で、勧善懲悪がハッキリしているのが観ていて分かりやすい。次第に手強い敵が現れる中で、VFXをあまり頼らずに、カンフーとガンアクションを中心にした戦闘シーンは、ステイサムならではの作品と言える。本作は、8年前の作品ではあるが、今やアクション俳優のトップに輝き、観る人を魅了してくれるのは、間違いなくてステイサムだと思う。
本作の見所は、冷徹な精密機械の様に暗殺を繰り返すビショップが、科学的な戦闘知識と鍛え抜かれた身体で、いかに敵を倒していくかというシーンにある。本作でも、そうしたシーンがたくさん盛り込まれ楽しませてくれた。その中で、今回のミッションは、愛した女の救出の為に、命掛けで挑むというのは、人間的な一面が垣間見える内容となっている。ただ、そこまでビショップが入れ込む女性の設定としては、関係性にやや弱さを感じた。
物語は、暗殺界から足を洗おうとしていたビショップだったが、武器商人のクレインが現れ、暗殺を依頼してくる。一旦は断ったものの、愛する女・ジーナを人質に取られ、やむなくクレインからの暗殺の依頼を引き受けることに。そのターゲットは、武器商人としての商売敵のボス3人だが、その暗殺に行きつくまでの過程が、なかなか緻密で、且つ大胆な段取りで興味深かった。
細かなシーンだが、最初にビショップの豪華なクルーザーで、レコードに針を落として音楽を聴くシーンは、個人的に前作からお気に入りのシーン。しかし、そのクルーザーも早々吹っ飛んでしまったのは、残念だった。
ステイサムの魅力を十分引き出す作品であるが、脇を固めたビショップの愛した女・ジーナを、『ファンタスティック4』のジェシカ・カルバが演じ、ステイサムのよき理解者を『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でのアカデミー女優・ミッシェル・メイが演じている。そしてラスボスには、名優・トミ―リー・ジョーンズが、作品に箔をつけている。