みかんの丘のレビュー・感想・評価
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『ラスト・オブ・アス』を彷彿
美しい自然と厳しい現実、憎しみあう人間、魂に問う人間哲学…
ゾンビは出てこないし、内容も違うけど、哀愁ある音楽といい、
ゲーム『ラスト・オブ・アス』ぽかった。
ゲームの方が、この映画に影響を受けてるのでは?
エストニアとジョージアの合作で、そこも観ようと思ったポイントでした。
俳優さんの演技が素晴らしいです。
特に、主役の方。
もっと知られるべき、名作。
【民族間の憎しみの連鎖を越えて・・。人間は何故、戦争をするのか・・。今作は、さまざまな文化や宗教の衝突により、世界が危機的な状況に置かれている中で人間らしさを保つことの大切さを描いた作品である。】
■アブハジア自治共和国でみかん栽培をするエストニア人の集落。
ジョージアとアブハジア間に紛争が勃発し、多くの人は帰国するが、イヴォとマルゴスは残っていた。
ある日、彼らは戦闘で傷ついた敵同士の二人の敵同士のチェチェン人の傭兵アハメドとジョージア人のニカを自宅で介抱することになる。
◆感想
・アハメドとニカを助けたイヴォの毅然とした態度が、印象的である。重傷を負ったニカを殺そうとするアハメドに対し、”私の家の中では殺すな”と言い、アハメドもそれに従う。
・ニカが回復してから、初めて4人で食卓を囲むシーン。ニカとアハメドは憎しみの態度を取るが、イヴォに一喝された後、夜に屋外で食事を摂る。
ー この頃から、ニカとアハメドの関係性が変わって来る。-
・ある日、アブハジア軍がやって来て、仲間であるはずのアハメドに、”チェチェン語で話せ”と絡む。
ー 人種として、混血しているため見た目では敵か味方か分からない。そしてアハメドに銃を向けたアブハジア軍に対し、屋内に居たニカが銃撃し、マルゴスと、ニカが犠牲になってしまう。-
<ラスト、生き残ったアハメドは、イヴォに礼を言い、ニカが修理していたカセットテープを車のデッキに入れ、走り去る。
今作は、さまざまな文化や宗教の衝突、世界が危機的な状況の中で人間らしさを保つことの大切さを描いた作品である。>
ジョージアとアブハジアの争いを知らなかった
とうもろこしの島と全く同じテーマだ。
こちらもあり得ないが、共感が持てる。
日本の様な島国の民では、こう言った戦争を理解している様で、全く分からない。どちらが、侵略者なのか?全く分からない。歴史を見れば、分かると言うが、その歴史も信用出来ない。
戦争は反対だが、銃を向けられれば、戦わなければ、生活を脅かされる。さぁ、どうしたものか?少なくとも、自分以外の他人の為に戦うべきでは無いと言う事だ。たとえ、その他人が家族であろうと。
しかし、人間は戦争を止める事が出来そうも無いようだ。人類が光速を超える技術は持てないと、ホーキング博士はおっしゃったと聞く。何故なら、その前に戦争で人類は滅亡すると言う。そんな!と僕はおどろかない。光速超えるよりも、みかんの丘の方が大事だものね。
世界の片隅で起こってきたであろう事実
日本にいると民族対立とは縁遠くなり、あまり意識はしないがこのような入り乱れた正に紛争地帯と呼ぶような場所がまだまだ世界にはあるのだろう。
映画にして届けてくれたことに、監督に感謝したい。
それはそれとして、結末で出てきた兵士は何人でどの勢力なのだろう?
少しついていけなかった。
複雑な社会情勢と人間の普遍性
アブハジア自治共和国と聞いてすぐに分かる人も少ないだろう。
おまけに、そこに住むエストニア人のイヴォが助けた2人の兵士の1人はジョージア人で、もう1人はアブハジアの同志を助けに傭兵として参加したチェチェン人ときている。
そんな複雑な情勢が一切わからなくても観ている側には内容が伝わる。
皆がイヴォのようであればと強く思った。
黄色いカセットテープ
エンディングの歌がやけに沁みる
説明がないのにすごくわかる映画
本当にこの辺の国のこと何も知らない
難しすぎて聞いてもわかんない
チェチェン人とグルジア人を匿うエストニア人という構図
けどこの映画の内容はよくわかるから不思議
匿う老人イヴォはみかん箱を作る
そしてその材で棺桶を作る…弔う
複雑な民族紛争は地球からなくならない
本物の秀作 監督を尊敬する
アブハジア自治共和国のなかでチェチェン兵、ジョージア兵が心優しい老人の
家にかくまわれる。ストーブの前で暖をとり、お茶をのみ、朝のパンを出されて
束の間の人間らしいひと時。
この映画を見て、セルビア人、アルバニア人、マケドニア人が命がけで一緒に演奏活動をする
コソヴォ・フィルハーモニーを思い出した。
誰にも見て欲しいな、と、これほど強く思った映画は久し振りかも。
日本が、例えば近隣諸国との歴史も踏まえてこういう映画を作れるかな?
非を認めないものには作れない映画だろうな・・。
「何が違う?」 優しい彼のその言葉に深く考えさせられました。 そう、人種が違うだけ、同じ人間なんだよな・・。
こう、いつも思えたら・・。
地味で登場人物も少なく台詞の少ない作品であるから、こちらが察しなが...
地味で登場人物も少なく台詞の少ない作品であるから、こちらが察しながら鑑賞する映画だった。表情や目の動きなどから、ひとりひとりの心情が伝わってくる。泣かせる場面があるわけでもないけれど温かさが伝わってくる。自分が温かさを欲しているのか涙が出た。
おじいさんを中心としたヒューマンドラマ
みかんの丘そのままの舞台で個々にとって理不尽な戦争の縮図を描いたような作品。
敵同士を同居させることでテーマに沿った会話を成立させているわけだが、無理矢理ではあるし現実感はあまりない。しかしそこをずっと引っかかって見ているとダメな映画。設定として受け取る必要はある。
で、これ見て戦争を語れるかと言ったら背景が不足している感じもあるので、へんこつおじいさんを中心としたヒューマンドラマとして見るくらいの気楽さでよいのかも。もちろん作中の人道主義的な主張は理解するけど、それをことごとく粉砕してきた(いる)のが戦争の本質。。
地味だけど傑作、地味だから傑作!
1990年頃のアブハジア紛争を背景にした映画。
アブハジア共和国は、ジョージアからの独立を求めてチェチェンなどから傭兵を集めて戦っていた。ロシアは、旧ソ連から脱退したジョージアとは敵対しており、アブハジアの独立に加担していた。
映画は終始、とつとつと同じテンポで進行していく。戦争を題材にした映画だが、派手なシーンや残虐なシーンは無く、視覚的なインパクトは無く、ポツリポツリと語られる言葉や登場人物の心の動きから反戦の訴えを静かに紡ぐ。それは、寂し気な音楽や、緑の深い曇りがちな風景とも相まって、深く心に染み入ってくる。
主要な登場人物は男4人だけ。空間的範囲はイヴォの家とマルゴスのミカン畑の、半径数百メートルの範囲のみ。それで、これだけ深い作品が描けのかと驚き関心した。
最後に、題名にも出てくる“みかん”について考えたい。
みかんはイヴォの友人のマルゴスが育てているもので、マルゴスは「売れば金になるが、金のためじゃない。放っておいてダメにしたくないんだ」と言い収穫を続け、紛争に巻き込まれそうなこの土地から離れられないでいる。イヴォも多くを語ろうとしないが、「この場所が大好きだし、大嫌いだ」と言い、“理由”を抱えこの土地から離れようとしない。
映画では「民族」「歴史」「領土」「戦友の死」「恨み」から解放される兵士の姿も描きつつ、同時に「何かに執着してしまう人間の性(サガ)」も複線的に描いているような気がする。しかも、概念に捕らわれていた者が開放され、開放を促していた者が捕らわれていた。民族紛争解決の難しさを考えさせられる。
彼らに違いはない
ジョージアとアブハジア間の紛争下、とどまった2人のエストニア人が敵同士の兵士を自宅で介抱する。
初めはお互い敵意を表すが、次第に打ち解けていく。ハッピーエンドとは言えないけど、どことなく希望のある終わり方だった。
戦争の不条理さ、戦っているのは同じ人間同士なにも違わないというメッセージがしっかりと伝わった。
重たいね…
正直なところエストニアって言われてもどこにあるか分からず。
不勉強な私をお許しください…。
ただこの作品を見ていれば民族紛争なんだな、とか
ロシアが関わってるみたいだぞ、とか
だいたいの状況は察しがついてくる構成。
説明的でなくこういう複雑な状況を表現するって難しいだろうに、
割とさらっとやってのけてるあたりが上手なんだろう。
でも内容としては戦争がどうのこうのというよりも、
一個人としての生き方をどうするかってメッセージが強かったように思う。
イヴォ爺さんしかり、マルゴスしかり、
別に「信念」ってほど明確ではないにしろ、ちゃんと自分の生き方を持ってるというか。
けっして幸せな物語ではないんだろうけど、
この作品で救われる人って多いんじゃないかなと思う。
みかんの丘 マンダリン
前売りを買っていましたが、やっと見に行けました。
派手ではないけれど心にきます。
日本人には馴染みがないですが、
あの日の声を探して 。など映画は何気に沢山見ていました。
わからない点は上映後質問コーナーで質問していた方がいて分かりやすかった。
こういう映画をもっと上映してほしいです。とうもろこしの島は夜の回がもうないから無理かなぁ。
風に吹かれてる場合じゃない?
一人一人は、いい人なのに、徒党を組んで大儀を持ち出すと、おかしなことに。人が、人をカテゴライズすると、ろくなことありませんね。民族、宗教、肌の色。分別するのは、資源ごみくらいにしたいものです。しかもそこに、鉄砲なんか持ち込んだ日には…。どれだけ砲弾飛び交えば、平和な日が来るの?。その答えは…ですね。ダイナマイト考案した方なら、解るのかしら?。
いがみ合いより、話し合いのほうがいいと思うんですけど。いつかそんな日を来る。それまで、みかんでも頂きながら、風に吹かれるとしましょう。
観て本当に良かった
一つの食卓で一つの約束で気づいた事は当たり前の事で、でもすごく本当の意味で理解する事が難しくなってしまっているんだと思った。それをまっすぐな瞳で語る主人公が忘れられない。静かな暖かさと、人の変化に心を動かされたけど、それでも戦争は悲しさと虚しさしか残らないことを改めて感じた。
誠実な人間ドラマ
絵づくりがしっかりとしていた印象。それ故に、美しくもあるが、退屈観を与えてしまう恐れがあるかも。
状況の複雑さに反して、心の絡み合いがやや弱いと感じてしまうが、状況と展開だけで、見ている者が思うところは大きいはず。
戦場の悲惨さとかリアルさというものはそれほど描かれていないにもかかわらず、戦争の無意味さは強く感じる。教養とか知識などあれば、より作品を楽しめるとは思うけれど、根本的な殺し合いの無意味さを垣間見た。
兵士が日常に・・
登場するシーンは全編を通して半径何百メートルなのでしょうか。
村人は主人公たち2人を残して逃げて行ってしまった。
そんな中に当たり前のように登場する兵士たち。
主人公の姿勢が一貫していて、優しくて、「優しさは伝わるものだな」って思いました。
一人一人の力では何も変わらない。でも諦めてしまっては何も変わらない・・と思いながら、映画館を後にしました。
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