「名シーンをごちゃっとつなぎ合わせ」鋼の錬金術師 田名部真吾さんの映画レビュー(感想・評価)
名シーンをごちゃっとつなぎ合わせ
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酷評まみれだったからハードルが下がったのか、案外楽しめた。
ただ「好きなキャラの活躍」を楽しみにすると微妙だろう。キャラのコスプレをした別人たちの物語になっている。
顕著なのはマスタング大佐。原作では、時に青臭いとも言われる夢を抱いて挑み続け、愛嬌のある男性なのだが、実写では冷淡なリアリストのようだ。
軍服衣装は似合っていて、見た目はとてもかっこいいし「こういうキャラ」として人気は出そうだが「原作の大佐を実写化した姿」ではない。
アルは実際に鎧を作って動かしているのではないかと思えるぐらいリアルな存在感があった。声も、あまりしゃべらないが違和感はさほどない。
ラストは声の響きが美しく怪しく、この映画で一番ハマっていた。
ビジュアル面においてアルの完璧な再現ぶりや、原作とまた違う魅力を持ったラストや大佐と比べると、エドとホークアイの金髪組はどうしても浮く。
エドは衣装担当は何をしていたんだ?と思えるぐしゃぐしゃな髪型が気になる。
ホークアイは、凛々しい真顔ではなくぼーっと無表情という顔でさしたる活躍なく部下Aのようなポジションでしかない。
タッカーが長く生き残るというIF展開はちょっと面白かった。ニーナは死なず。いっそのこと、続編で錬金術の修行を重ねたエドがニーナとアレキサンダーの分離に成功するぐらいの大改変をやってもいい。
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