「社会派エンターテイメント」相棒 劇場版IV 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断 Toshiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0社会派エンターテイメント

2017年2月27日
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鑑賞方法:映画館

相棒シリーズは最近レギュラーシリーズを観るのがツラくなってきたが、劇場版はつい観てしまう。
右京さんが云っている通り、本作は社会派エンターテイメント。しかもかなりエンターテイメントよりの。その時々の社会的関心をスパイスにして観客の興味を引く。今回の社会派スパイスは国際テロと国家による棄民政策。この棄民政策はそれだけで一本の映画になるが本作では当然深くは突っ込まない。脚本、監督のチームが変わったようだが、今回もこのフォーマットは変わっていない。劇場版はスケール感を出す為に大仰な事件が起きるのが定番。これが前作ではいくら何でもという感じを抱かせたが、本作はまあまあ上手くやっている。国際テロ組織による大規模テロ予告に相棒コンビが立ち向かう。昔のオールスター映画のように、新旧のレギュラー陣にちゃんと見せ場があるのも劇場版ならでは。個人的にいちばん好きな及川光博の神部尊が出てくるのもウレシい。長いシリーズの中でまだ活躍がないのは片桐竜次の刑事部長だけだな。
国際テロ組織の犯罪がやがて個人の復讐に収斂していき、右京さんと対決するのはお決まり。右京さんの正義と犯人のぶつかり合いが必ずクライマックスになるから犯人は必ずある個人。国際テロ組織といいながら事件の運びが荒っぽいのはクライマックスでのふたりの対決の為だが、それにしてもコレは荒っぽすぎ。相棒シリーズをあまり観ていないひとはクライマックスまで待たずに席を立ってしまうかもね。
大規模なモブシーンがあったり、カメラワークに余裕があったり、テレビのスペシャル版とは違うので観る価値は充分にある。

Toshi