劇場公開日 2017年8月4日

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「謎が多すぎる」トランスフォーマー 最後の騎士王 アラカンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0謎が多すぎる

2017年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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3D 吹き替え版を鑑賞。シリーズ歴代5作目である。トランスフォーマーは,元々は日本国内でタカラ(現タカラトミー)から販売されていたロボット型玩具シリーズのうち,後期に展開した変形ロボットをアメリカのハズブロ社が業務提携し,他社の変形ロボット玩具と共に “TRANSFORMERS” として販売したものが北米を中心に大ヒットして,その玩具で我が子が遊んでいるのを見たスティーブン・スピルバーグが実写映画化を思いついたという経緯を持っている。ちなみに,タカラトミーとして合併する前のタカラ社を創立した初代社長の佐藤安太氏は,山形大学工学部の前身・米沢工業専門学校の化学工学科の卒業生である。

元々は正義の「サイバトロン(Autobots)」と悪の「デストロン(Deceptions)」に分かれて抗争を繰り広げるという背景設定があっただけで,作を重ねるごとに新たなロボットや設定が増えてきており,前作では遂に微小ロボットの集合によってどんな形にもなれるタイプが出現して,もうこうなるとトランスフォーマーとは言えないのではないかと思った。今作でも,ほとんど活躍しないロボットが出てきていて,かなりキャラを持て余している感じがする。

脚本は終始説明不足で,前作まで出てきてなかったキャラが突然偉そうに創造主を名乗ったり,最強のオートボットがいきなりその言いなりになったりといった過程がまるで謎であったし,地球のエネルギーを吸って自分の星に向かって送るとかいう仕組みも全くの謎であった。今作に限った話ではないが,どうにも後付け感が鼻につく話で,まともに考えようとするのが無理なのだと思う。今作は,さらに無理やりアーサー王伝説に関連づけようとしていたようだが,なぜ突然こんな話になるのかと,かなり疎外感を受けた。

役者は,何と言ってもアンソニー・ホプキンスの登場には驚いたが,彼でなければならない役ではなかったし,その行動も謎すぎて,まるで先日観た「ザ・マミー」に出てきたラッセル・クロウのように名優の無駄遣いとしか思えなかった。このシリーズは,監督の趣味なのだろうが,ヒロイン役の女優に非常に見応えがあり,初期2作ではあのミーガン・フォックスが演じていたほどなので,今作もどうかと期待したのだが,やや肩透かしであった。

音楽は,全作担当しているスティーブ・ジャブロンスキーで,師匠のハンス・ジマーに劣らない重厚なスコアを書いていた。監督のマイケル・ベイも第1作から変わっていないが,脚本も担当していることから,見せたいシーンを先に思いついて,それに後からストーリーの辻褄を合わせているような気がして仕方がない。
(映像5+脚本2+役者3+音楽5+演出4)×4= 76 点。

アラ古希