「中国遊園地に喜んでいるようじゃダメだよ」トランスフォーマー 最後の騎士王 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
中国遊園地に喜んでいるようじゃダメだよ
ストーリーがどうのじゃなくて、そもそもデリカシーがない。
前作(第4作)から、中国資本が入ってあきらかにおかしくなった。そっか、だからパクリの極みなのか。"デスギドラ(キングギドラの亜種)"みたいなのも出てくるし。"コグマン"と"スクィ―クス"は、"C3PO"と"R2-D2"だし。スポンサーがあれもこれも要求したのか? 中国の遊園地だ。
"宝の持ち腐れ"、または、"カオス"。日本生まれの玩具キャラクターである、"トランスフォーマー"は、どんどん地に落ちていく…。
トランスフォーマーという素材は嫌いじゃない。むしろ好きだ。3作目まではなんとかスジが通っていたのに、これじゃ娯楽映画の"寄せ鍋"である。欲張りすぎて展開が忙しいというか、これでは映画になっていない。マイケル・ベイは気が狂っているのか。
前作「ロストエイジ」(2014)がガチャガチャ変形しすぎて、しかも165分という長尺3Dに目がチカチカして文句を言われたから少し短くしたが、それでも149分!
2本分の情報量があるんだから、整理して"前後編"にしてほしい。あまりにも編集ができないから、エンドロールがものすごく早く短くなってしまった(笑)。頑張ったスタッフは悲しいね。
"アーサー王伝説(円卓の騎士)"からの、"宝探し映画"は、まるで「ダ・ヴィンチ・コード」(2006)+「ナショナル・トレジャー」(2005)である。なのに最後はやっぱり「アベンジャーズ」(2012)になっていく。謎解きの斬新なアイデアもないし、構成がへたくそ。
ケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)と大学教授ヴィヴィアン・ウェンブリー(ローラ・ハドック)は、このドタバタの中、いつ恋に落ちたんだ! 端折りすぎだろ、こんなに尺長いのに。
唯一すばらしいのは、IMAX3Dで撮影した"ピュア3D映画だということ"。
"トランスフォーマーのたくさんのキャラクターを見せる図鑑としては楽しいかもしれない。完全な"ファンムービー"である。基本設定を知らないなら観ないほうがいい。
(2017/8/4 /ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:松崎広幸)