「家族とは。それぞれの“惑い”と、本当の“絆”。」惑う After the Rain 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
家族とは。それぞれの“惑い”と、本当の“絆”。
賛否両論チェック】
賛:長女の結婚を起点として、家族1人1人の“惑い”を長い時間軸で描きながら、本当の絆を築き上げていく様子が、静かな中にも印象深く描かれていく。
否:ストーリーは淡々としていて少し長めなので、気をつけないと眠くなりそう。内容もやや説教臭いか。
時間軸はかなり行ったり来たりしますが、それほど分かりにくい感じはありません。長女の結婚式を翌日に控えた1組の母娘と、今は亡き父親の半生を通して、“家族になる”という最も身近で、だからこそ難しいテーマが描かれていきます。
そこにあるのは、結婚を迎え、母と共に守ってきた家を離れる長女・いずみの“惑い”は勿論のこと、葛藤しながらも家を必死で守り、今のいずみ達の礎を築いた誠志郎やイトの“惑い”、そしてシングルマザーとして苦悩し続け、それでも一児の母として生きる道を選んだ次女・かえでの“惑い”と、家族それぞれの儚くも尊い想いです。個人的には、イトが誠志郎に聞かれて考えた、
「家族は〝鍋”。考えるものではなく、味わうもの。時間をかけて煮込むことで、味わいが出る。 」
という言葉がステキでした。
ちょっと淡々としすぎていて、内容も説教臭い感もありますが、それでも誰しもが1番大切な“家族”について再認識させられる、そんな作品です。
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