「ジェノサイドホテル、ホテルムンバイと見比べると…」パレス・ダウン ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェノサイドホテル、ホテルムンバイと見比べると…
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緊張感がない。銃声や、足の影だけで、実際のテロリストの姿が映らない、銃撃シーンもないからというのもあるが、娘を心配する両親の描かれた方に緊迫感がない。母が娘を落ち着かせるために歌ったのは娘の神経を逆なでしたし、このシーンいるのか疑問に思った。実話なのだろうか。迫りくるテロリストより爆発による黒煙の方が怖く感じた。しかし、残虐なシーンをあえて描かなかったのは他2作品より公開が早く、被害に遭われた方への配慮があったかも知れない。助かった娘はあれだけの惨劇に遭ったのに、すれ違う人々や、カフェで見かける人々はそんな事を知らず、日常的に普通に暮らしている、自分のことを知る由もない、このギャップを埋めるべく、同じ体感した者に連絡を取るものの、一切思い出したくもない、ギャップを埋めたくないと返され、双方の心の傷の深さが表れている。映画としては盛り上がりに欠けるが、ラストシーンの心の傷を描きたかったのかも知れない。
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