「泣けない」planetarian 星の人 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
泣けない
思ったまんまの、こんな未来にならないように、地球の皆さん、がんばってください─的な物語でした。
設定も嫌いではないし、廃れた未来というビジョンも嫌ではない、むしろ分かりやすく啓発されることに喜びすら感じるところ。この作品にもそんな要素が大いにありましたが、如何せん面白くなかった…。
構成があまりにも単調で、何度も落ちかけました。単調なカット割で単調な台詞回しに、心地よい眠りへと誘われること必至。
そもそも、プラネタリウムに重要性を見出せない(といってしまうと、お前何しに見に行ったんだと言われかねないけれど)、またそう仕向けるための説得力が皆無。せめて見終わった後に、プラネタリウムにこうとか、星を見に行こうとか、思わせてほしかったのだけれど、そんな感情はまったく生まれなかったのが正直なところ。まあ星とかプラネタリウムは大して重要じゃなかったんでしょうけれど(─たぶん・・・)。
では一体、何が重要だったのか?(勝手に)ロボットなんでしょう、と結論づけちゃいます(見た誰しもが思うことでしょう)。
ピノキオのごとくロボットを人間に昇華させようと一生懸命に感情移入を求められますが、恐ろしいほどに喜怒哀楽を掻き立てられないのです。青年はいったい何で泣いているのか、なんていう気持ちすら生まれてしまう始末。おそらく、あまりにもしゃべりすぎなんだと思います。台詞だけで泣かせようとしているとしか思えなくて、まさにマシンが何かを発しているようにしか思えなかったというところでしょうか。
空間表現が自在で、アニメーションにしたかった思惑も理解できましたが、それだけのこと。なんだか古臭いものを見せられたようにしか思えませんでした。
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