劇場公開日 2017年2月4日

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「人間の本性を露にする。陰湿なイジメの辿り着いた果てとは。」傷だらけの悪魔 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人間の本性を露にする。陰湿なイジメの辿り着いた果てとは。

2017年2月19日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:因果応報のごとく、転校先でイジメに遭うことになった主人公が、屈することなくあらゆる手を講じて立ち向かおうとする姿勢に、雄々しくも切なさが感じられる。イジメの当事者のみならず、傍観する者達への糾弾にも圧倒される。
否:陰湿なイジメのシーンがかなり続くので、人によってはヘドが出そう。

 陰湿なイジメをしていた本人が、転校先ではイジメのターゲットになってしまうという内容は、言ってしまえば因果応報な展開ではありますが、そこに終始せず、姑息な手段でイジメから抜け出そうと奔走する主人公のあがく様も、また浅ましさを感じさせます。
 そして本作で言及されるのは、イジメで1番悪質ともいえる“傍観者”の罪です。陰でこっそり助けてくれることはしても、表立って声を挙げることはせず、中には楽しみながら、自分は安全な場所から眺めているだけの多数の者達。そんなサイレント・マジョリティーに対し、主人公が糾弾するシーンは圧巻です。
 嫌悪感を抱きそうなイジメのシーンが続くので、嫌いな人は本当にヘドが出るかと思いますが、人間の本質を掘り下げる作品といえそうです。

映画コーディネーター・門倉カド