「結局は笑い者にしてるわけで……」マダム・フローレンス! 夢見るふたり CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
結局は笑い者にしてるわけで……
実在の人物であったマダム・フローレンスだが、今もカーネギーホールのアーカイブの視聴数が1位ということをも、結局のところは彼女の音痴っぷりを笑い者にしているわけで、本作もまた、彼女の音痴さや、育ちの良さからくるトンチンカンな行動を笑っていることには違いがない。
たしかに、本作は彼女に対して、とても暖かな目で愛情を持って描いているわけだが、では、このような描かれ方を本人が喜ぶだろうか?
楽しい作品だし、人間ドラマとして悪くない。しかし、実話を大幅にフィクション化するのではなく、あくまでも実在の人物の伝記として作品にするなら、こういう笑い者に仕上げるのは、筆者にはどうにも気持ちがよくない。
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