「切ないね」ある天文学者の恋文 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
切ないね
天文学者エドワードと教え子エイミーの秘められた恋。エドワードの突然の悲報がエイミーに伝えられるが、その後もなぜか、エドワードからの手紙やメール、贈り物がエイミーの元に届き続ける・・・。
ただ単に「死んだ人から、手紙やメールや贈り物が届き続ける」というとホラーみたいですが、全然そうではありません。星の場合、何億光年も先の星からの光がいま届いていますが、『今』見ている光は実際には『何億年』も前に星を出た光で、いま実際には、その星は存在していないかもしれないんですよね。フィーラムのやっている事はそういう事なんだなと、途中で気が付きました。フィーラムは天文学者ですし、エイミーも天文学を学んでいますからね、その二人にピッタリのストーリーなのかな?
面白いのが、エイミーが天文学を学ぶ傍ら、スタント・パーソンやモデルを職業としていること。モデルはさておき、スタント・パーソンをやっているのは、エイミーの若い頃の出来事が関係しているんですが、そういうものなのかな。でも、ボンドガールを演じたことがあるオルガがスタント・パーソンってね、何かの暗喩でしょうか?
それと、フィーラムですが、なんでエイミーの行動が時間単位まで読めるのか?うっかりするとストーカーですが、フィーラムとエイミーは真に愛し合っているんで良いんでしょうね。
単に、死ししてもなお、愛している(愛していた)恋人にメッセージを送り続けるだけなら、起伏のない単調な話になってしまいますが、エイミーの“軽率な”行動で、そうでは無くなってしまうところが、物語に起伏を付けて良いですね。
いやぁ中々深くて、濃くて、良い作品だと感じました。