コロニアのレビュー・感想・評価
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無言で手を握り締める姿にジンとくるんだよ
ポリティカル・スリラーではあれど、どこかカルトな雰囲気も醸し出すコロニア。
恋人を助け出す為に単身、組織への潜入を決意する勢いはあるが、いざ忍び込んでみるとこれが厳重な生活管理を強いられており、なかなか行動も起こせないまま130日があっという間に過ぎる。
主人公、畑仕事で身体だけが丈夫になっていっているのではw
なかなかストーリーに進行が見られないので中だるみを感じるが、じれったく上手くいかない救出劇がリアルで、思わず手を握り締めてしまった!
恋人、拷問で頭がイカレてしまったふりをしているんだけど、作業場で働きながらいきなり笑いだすシーン、演技派過ぎてめっちゃ笑った。
エマ・ワトソンは下着姿になったり、男に殴られたりと体当たりな作品と宣伝されているが、特に演技が映えるシーンは無し。
ここまでの出来事がありながらチリ国内に何の影響も怒らなかったコロニア事件。一度観る価値はあるかも。
大使館まで!
檻の中の檻
自由への道
ドストエフスキーの「悪霊」の登場人物が次のように言う。
「生は苦痛です、生は恐怖です、だから人間は不幸なんです。いまは苦痛と恐怖ばかりですよ。いま人間が生を愛するのは、苦痛と恐怖を愛するからなんです。そういうふうに作られてもいる」
そして「カラマーゾフの兄弟」ではイワンがこう言う。
「人間はパンのためにだけ生きるのではないのかもしれないが、パンを与えられれば喜んで自由を投げ出す」
人間は多かれ少なかれ、不安と恐怖に苛まれながら生きている。パンを得るために時間的、身体的な自由を投げ出して労働を提供しているうちに、精神的な自由まで投げ出してしまう。あるいは、パンを与える側は、労働者の時間と身体を拘束するだけではなく、精神まで拘束できると思うようになる。
システム化し常態化すると、それが社会の規範となってしまう。組織や共同体のために魂を売るのが正しく、自由を求めるのは背任であり、非国民であると。
恐ろしいことだが、そういった状況は世界各地で起きているし、今も続いているのだ。モーリタニアという国ではいまだに奴隷制度が厳然と存在する。戦前の日本でも思想統制があった。フランスでの思想統制の象徴はあのバスティーユ牢獄だ。そこに入ったら、おぞましい拷問を受ける、身の毛もよだつ日々が待っている。
この映画は、バスティーユ牢獄とカルト教団のアジトを合わせたような恐ろしい場所から恋人を救い出そうとする勇気ある女性の物語である。規則と食べ物と言葉によって主人公を精神的に隷属させようとする組織を相手に、正気を保ち続ける精神力の持ち主を、美しいEmma Watsonが見事に演じていた。
見ていてつらい部分もある映画ではあるが、人類の不幸の歴史をコンパクトにしたような組織を相手に、自由への道を求めて戦うという普遍的なテーマの作品であり、それなりに見ごたえがある。
ハラハラ・ドキドキ・ハンカチもみもみ
最後の最後までハラハラ。
また1つ知らなかった歴史を知ることができました。映画ってこういう事も知ることが出来る。だから映画はやめられない!
1973年の独裁政権下のチリ。
初めは反体制派のストなどの描写はあるものの幸せな一時があったり、まさかの裸エプロンなんかもあったり♪
軍事クーデターから一変…拘束、拷問、宗教、洗脳、トランス状態、サリンetc. あぁ、まるでオウム真理教…いや、もっと過酷。脱出劇に洗脳が絡んだ実話。
久しぶりにハラハラドキドキした映画を堪能。
多少エンターテイメント的になってる感じはします。多少都合良すぎるかなという展開もあります。それでも面白かった!
(注)裸エプロンはダニエル・ブリュールです。エマ・ワトソンではありませんw
かなり重いテーマですが、作品としては素晴らしい
最後までハラハラ、映画館を出た後もドキドキが収まらず。。。
鑑賞後ややぐったりしましたが、それだけ見ごたえがある作品ということ。
レナ役を演じたEmma Watson、素晴らしい。彼女自身が持つ強さ、賢さ、美しさがよく出ていたと思います。
この映画を観なければ「コロニア・ディグニダ」なんて、多分一生知ることはなかった。また1つ歴史を学びました。
この映画で知れて良かった
知らなかったチリの闇
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