「美しいアクションの後に爽やかな切なさが。」ROAD TO HiGH&LOW Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
美しいアクションの後に爽やかな切なさが。
実はビーバップハイスクールや
クローズのような、
不良抗争ものが大好きでして。
予告で見た主人公たちのカスタムハーレーや
ローライダーのアメ車もカッコよくて、
またしてもほとんど無知識で劇場へ(笑)
いやー、正直期待してなかったけど、
面白かった!
後から知ったけど、7月の本編の前振りで
2週間限定公開だったんですね。
だから16:9の比率だったのかな。
TVの総集編に少しの素材が足されたらしいから、
従来のファンは物足りなかったのかもしれません。
けど純粋に一本の映画として、
よく出来てましたよ。
ギャング同士の抗争ストーリーも
ドキドキするし、
各チームのキャラもよく練られている。
リーダーたちは個性があって、
設計も抜かりなし。
3人の主人公の少年時代からの友情を描くのも、
王道だけどわかり易い。
不覚にも、ウルっとしてしまいました。
役者陣が素晴らしい。
岩田剛典さんは演技できるの知らなかったけど、
なかなか上手いですね。
鈴木伸之さん町田啓太さんも、
実感がわくリアルさで、見応えありました。
若い脇役もみんな実力派ですね。
LDHや日本の若手俳優の、奥深さを実感しました。
EXILE TRIBEの面々や意外な配役も、
美味しいところで登場するから、
思わず顔がほころびます。
あとね、小泉今日子さんとYOUさんも、
いいカンジで絡んでくる。
こういうのは作品を楽しくしますね。
アクションは、なかなかですよ!
こういうの本気じゃないとツラいけど、
リアリティで迫力があり、かなりきてます。
ハイスピードカメラを駆使した、
香港ノワールのような美しさにも息を呑みます。
全編をとおして、PV的な発想の映像は素晴らしい!
監督はPV界で大御所の久保茂昭さん。
映画デビュー、おめでとうございます。
難を言えば音楽が鳴りっぱなしで、
少しストーリーに入り込めなくなります。
音楽がない時間は、全編でほとんどないのでは。
もちろん音楽メインの
アーティストたちの映画だから、
気持ちはわかりますが。
効果的なSEや音楽の使いで、
もっと作品自体のクオリティが上がったのではと、
ちと残念かな。
これはね、マジでTVものとバカにできません。
昨今の駄作邦画より、よっぽど価値がありました。
迷ってる人は迫力の大スクリーンで、
大音量で体験しましょう。
けどね、それだけじゃない。
劇場を出る頃には爽やかな気分に包まれ、
昔の友達に会いたくなる切なさが
込み上げてきたことが、
何より嬉しかったのです。