「報道とは?真実とは?なんなんだろ?」太陽の蓋 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
報道とは?真実とは?なんなんだろ?
不勉強な僕は本作で語られる内容は新鮮でした。
「え?そーなの?」って感じ。
今の今まで民主党に批判的でした。
しかし、頑張ってたじゃん!
元凶は仮名で描かれてた会社の隠蔽体質じゃん!
と。
そして、党への印象を操作した(ように見える)仮名で描かれるマスコミが拍車をかけている。
「右向けって言ったら右を向く国民ですよ」
ま、そーかもね。僕自身、右向いた一人ですよ。
青臭いこと言いますが、世の中で見聞きすることに、完全なる、人の手垢のついていない真実なんてないんだ、ということを改めて我々は認識しなくてはならないと思いました。
昨年見た映画「さよならテレビ」の中でも葛藤が描かれてました。ドキュメントと言っても作り手側の思慮が入り編集される。それがドキュメントといえるのか?と。
で、思うのです。本作で描かれる内容はどこまで真実?忠実?他の福島原発で描かれる民主党は、本作と印象が異なります。
また、ユーロスペースさんでトークショー付きで鑑賞しましたが、監督自身もそうですが登壇者は反原発論者や作品内で、実名で出ていらっしゃった方々。
それがあると、なるほど、反原発訴求映画なのね?って印象を持ちます。
これまた、右向け右の論理じゃないか?と。
たしかに発生した事故により、原発の「もしも」の事態が起きた場合の恐ろしさは十二分に伝わります、本作。
だったらなぜ、原発がなくても電力が十分だ、原発を作る理由なんてないんだの事実を描かないのか?が疑問です。
本作はドキュメントではないです、セミドキュメントです。ですから、メッセージを込めることはありなんでしょう。しかし、正否ともに描かないとそのメッセージも希薄、ただの訴えになってしまうのではないでしょうか?
原発の万が一が発生した時の恐ろしさを知るには秀作です、社会派ドラマとしても緊迫感、緊張感の描き方はよいです、物語の終わらせ方も。感度ストーリーにしあげてない骨太ドラマである点も良いです。
ですが、ドキュメントとしてとらえないほうが良いと思います。メッセージが強いので。
しかし、原発について個人的に調べてみたい、と思うキッカケを作っていただけたのは感謝です。
色々あって差し引き3.0。良作です。