TOMORROW パーマネントライフを探してのレビュー・感想・評価
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映像そのものにも循環型の魅力が詰まっている
女優メラニー・ロランが監督を務め、友人と共に「持続可能な暮らし」を探して様々な都市をめぐるドキュメンタリー。その原動力は、母親となったロランが抱いた「この子が“生きにくい未来”を迎えないためにはどうすれば?」というシンプルかつ説得力のある問いかけにあった。彼女との旅は、世界の先進的な取り組みを映し出す。例えば、様々な都市で自給自足の農業への取り組みが始まっていることも驚きだったし、また別の都市では地域通貨がローカル経済に無理のない利益の循環をもたらしている事例を紹介。他にもエネルギー、民主主義、教育など視点は様々。そしてすべての問題が実は密接に繋がっていることを鮮やかに示すところに独自性が見て取れる。全編にわたって緑と風と土、そして人々の自然な表情が散りばめられているのも印象的。知的好奇心を満たし、なおかつ映像そのものにも何度も見ていたい循環型の魅力が一杯。そんな絶妙なタッチの一本だ。
より良き未来を探して
非常にコメディタッチの作品。有機農業、直接民主制、再生エネルギーなど、現在人類が直面する危機を回避すべく対策を探す、いろんな現実にありながら未知の知識を知ることができた。とてもおもろい作品でしたそう、考えさせられました。
本当の民主主義とは
政治の所がとても興味深かった。
くじ引き民主主義賛成‼︎ 裁判員裁判もできているのだから、きっとできる。
人類滅亡後の映画は山ほどあるけれど、人類が新しい社会をつくる映画はない。この映画はまだ可能性を提示しているだけだが、これからどんどん変わっていく予感がする。
手作業の多品種を一緒に育てる農業、ゴミ処理場での堆肥作り、都市での農業、日本でもできそう。
でも教育が日本では一番おかしい…
捨離
結局、金持ちが節税のために寄付したり、別にステータスがあったり元々ルックスのいい人がノームコアファッションに身を包みオシャレを見下したり、オーガニック信仰だって省エネだって良いものを食べてきた人間や排気ガスを撒き散らしてきた人間の行き着く末でしか無いとは思う。
ただ国家単位で共通認識でそういった取り組みを推進し、それにより結果を出している所もたくさんあるというのは素直に凄いと思う。
経済も政治も教育も、人間が産み出したただの概念であり自然というところからかけ離れたものでしかないけど、今この世界にいる以上はそれをいかに受け入れ、そしていかに変えていくかという事が僕たちに課せられたひとつの使命だと言えるし。
個人的にはゆとり教育を受けた世代が社会の中心の世代になる前にゆとり教育が失敗になったみたいな風潮があるのがすごく嫌で、最後の“教育”のチャプターは羨ましかった。
“ゆとり世代”は頭も良いし、性格も良いし、スポーツでも他の分野でも前人未到の結果を出しつつあるんだから、もっと寛容な社会を目指すべきだと思う。
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皆が参加できれば良いかも
未来に向けての取り組み
これに沿えば循環型の明るい未来が待っているのだろうか?
内容的には素晴らしいが、いかんせん投資が必要な案件が多い
先ずは都市で実践ですかね
ドキュメンタリー映画としては良い出来だと思いますが、前半は少し眠かった・・・
後半の方が良かったですね。
希望のある映画
こんな世の中になれば、人々は安心して生きて、安心して死んでいけるのではないか?そう思わせることが詰まっている映画だ。そんなにうまく行くわけがない、というだろうけど、現に実現していることを集めた映画なんだから、一定の説得力がある。
①農業
あのラストベルトと言われている、かつての自動車産業の町デトロイトで起こっている都市農業。
都会で野菜などをつくって、その地域で食べる地産地消。野菜をとっかえっこする。するとそんなにお金はいらない。だけど、トランプ当選のキーになった都市だけにほんの一部の動きなんだろうな。
②エネルギー
石油・石炭などの化石燃料に依存しない生活。風力や地熱、バイオマスなど、自然エネルギーを活用する。そして、自動車じゃなく自転車を利用してエネルギー消費を押さえる。
すると、CO2は出ない。住民は健康になって活性化するんだって!
コペンハーゲンでは2050年には自然エネルギー100%を実現すると言っている。
③経済
人間、余分なものがあるからそれをどう分配するかが問題になる。力をもっている奴が、たくさん持つことになる。そして、貸す人と貸してもらう人に分かれる。そこに格差が生まれる。
でも、地域通貨はその地域だけで使えるお金だから、その場だけで循環させる。たとえば、食品も建材も地元のものを使う。地域通貨はあんまりため込んでも意味がない。ブリストンでは市内にある店やレストランで使える通貨を発行して、地産地消型経済に大いに貢献している。
④民主主義
投票によって選ばれた議員たちがほんとうに市民たちの声を聞いた、あるいは、将来の国を思って行動しているか。はじめのうちはみんなの幸せのためと考える。でも、そのうちその場の圧力に負けて、組織の論理に動かされてしまう。
でも、もうひとつやり方があるという。議員の半分の数をくじ引きで決める。しがらみのない人たちが熟議し検討を重ねる。議員たちと大討論して政策を生み出す。レイキャビクでは、ウェブを通して誰でも参加できるようにした。時間はかかるだろうけど、いまのしがらみ政治よりはいいだろう。
ダメならやり直せばいい。それを決めるのも市民だから。
⑤教育
フィンランドは15歳の子供たちが、世界でもっとも優秀な成績を収めたことで知られている。
でも試験があるわけではない。猛烈な勉強をしろというわけではない。
先生が子どもと同じ目線で対等に話す。給食のときなどが話し合いのチャンスだという。先生の威厳なんてものは別次元のもの。権威なんてものは後でついてくるものだという。
なにを一番に教えてますか?という問いに対して、彼らは直ぐさま「寛容です」と答えた。世の中、白人も、黒人も、アジア系も、イスラム系も、他にもたくさんの人たちがいる。多様な人たちがいるんだってことを知り、分かろうとする。それが一番だという先生の目は澄んでいるように感じた。
(感想)
混迷を極めている世界でも、こんな生活を送っている人たちは確実にいるんだってことに、僕は勇気づけられたのでした。ことしの初映画としてベストでした。
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