「想定内」CUTIE HONEY TEARS 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
想定内
スプラッター・ゴア系のB級作品、V系またはセクシー系のSF、雨宮慶太や押井守の亜種等々、数多の「未来」が、廃プラント施設で撮られています。
その恐るべき紋切りイメージに、辟易したことはありませんか?
荒廃した未来には、かならず配管がめぐっているのです。
未来の都市を表現しようとした実写映像作品に、ブレードランナーの模倣が見られることも、よくあることです。
この映画の未来都市も、既視感ありありでした。
が、造形としてしょっぱすぎることはなく「未来」の実写としては、許容範囲内かと思います。これはかなり立派なことだと思います。
ただし、ビル壁面のアド映像や、三浦貴大が屋台でヌードル系の喫食するところなど、やや切ない描写はありました。
ところで、キューティーハニーの第一義は、変身のとき、素っ裸になってしまうことです。
子供だったぼくら、なんど、それを妄想したかわかりません。
ぶっちゃけ他のことは、言うなれば、どうでもいいことで、変身のとき、素っ裸にならないキューティーハニーに意味はありません。
ただそんなコアなことを言っていると過去の創作物が復刻しません。
メディアミックスができません。
そもそも「ぼくら」は実写化を邪曲だと騒げるほど子供ではなくなっています。
涙ぐましい努力が感じられる映画だったのですが、それでもいちおう最低ラインの苦言をすると、やはり衣装です。
せめてもぴっちりしてほしかった。ぴっちりした衣装を着たエロいヒロインが見たいわけじゃなくて、キューティーハニーなんだからボディラインが命でしょう。エクササイズの時間はふんだんに持っている女優さんです。なんかみょうにブカブカしたノースリーブの革ジャン?着たキューティーハニーが異次元でした。